
転職を成功させるためには、採用担当者に自分の適性をきちんと伝えることが大切です。
また、転職における面接は、企業や事業部の方針によって、ある程度、マニュアル化されているため、事前に質問内容を把握し、対策を立てやすい特徴があります。
そこで、今回は面接でよく使用される質問と回答例を厳選!
また、ビジネスラボでは面接のコツやポイント、面接の流れを紹介しているノウハウ記事も公開中です!
面接を確実に突破するためにも、ぜひチェックしてみてください!
※面接の流れを事前にチェックしていただくと理解が深まります
1.面接前半の質問と回答例
終身雇用制度が崩壊しつつある日本社会では、人材の流動が高まり、多くの企業が中途採用を実施しています。
迅速な採用活動を行うためにも企業は目的や意図を明確にした上で質問を作っています。
今回は面接でよく使用される質問と回答例をご紹介いたします。
1-1.【よくある質問】 自己紹介をしてください
【ここがポイント!】
自己紹介は応募者の緊張をほぐす目的で、質問されます。
そのため、1分以内で端的に応えるようにしましょう。
名前と挨拶を伝え、簡単なキャリア紹介の2部構成で終えると1分以内で終われます。
また、志望動機や転職理由に少し触れることで、面接での会話を広げられるので、オススメです。
※また、自己紹介と同時に職務経歴書の説明も促されることがあります。
【回答例】
○○○○と申します。本日は貴重なお時間を割いていだき、ありがとうございます。
私は株式会社■■■■で、10年間、営業と企画の両方を担当しております。
現在は、自分自身の営業成績の達成に加え、5人の部下を持ち、チームとしての生産性を高めるマネジメントも行っております。営業では2年連続で個人・チームで最優秀賞という名誉ある表彰をいただき、チームメンバーとともに日々改善と新たな目標にチャレンジしております。10年間、培ってきた営業力と企画力で御社の売上に貢献するとともに、新たな挑戦分野でもあるマーケティングを活性化させたいと考え、応募させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
1-2.【よくある質問】 転職理由を教えてください
【ここがポイント!】
転職理由は志望動機にも通じる内容です。
そのため、志望理由も一緒に紹介すると転職理由に説得力を持たせられます。
また、自分の適性を活かしつつ、キャリアプランを実現したいという想いを伝えた上で、現在の会社では実現が難しい旨も伝えられると効果的です。
【回答例】
現在、私は企画職を行っています。既にお取引のあるクライアント様に対して、予算の範囲内で売上アップにつながる企画を提案させていただいております。
私のキャリアプランでは、自分が考えた企画を持って、新規のクライアント様を獲得したいという目標があります。また、継続して企画提案を行うことで、長期間にわたり、お取引をしたいとも考えています。しかし、今の会社では企画部門と営業部門が完全に分かれている分業体制となっています。継続的な企画提案と新規開拓営業の両立が難しいため、企画担当と営業担当が同じ事業部内にある御社の事業方針に興味を持ち、応募させていただきました。
2.面接後半の質問と回答例
面接の後半では、あなたの適性を評価する質問が聞かれます。
中でも応募者の方が躊躇しやすい質問に絞って、ご紹介いたします。
2-1. あなたの長所と短所を教えてください
【ここがポイント!】
長所と短所に関する質問は、企業が求める適性基準を満たしているか、または客観的な視点を持って、自己分析ができているかを判断します。
長所では、自分の成功体験を具体的なエピソードとして紹介しましょう。
短所では、「自分の短所」+「自分なりの原因の分析」+「改善策」の3構成で伝えると良いでしょう。
ビジネスラボでは、転職面接における長所短所に関する質問に特化した記事も公開しているので、こちらも併せて、チェックしてみてください。
<面接で合格を勝ち取る長所・短所の伝え方、面接官の視点で解説!>
【長所の回答例】
私の長所は課題解決能力です。現職ではカスタマーサポートを管轄する役割を担っています。日々、お客様のクレームや問い合わせに対応するスタッフが1日の勤務時間内で、効率よく、お客様の要望を解決できるようにするには、どうすれば良いかを考えています。以前に同じようなクレームとその対応策がスタッフ間で共有し切れていないため、勤務時間を超過するスタッフが増えている現状が判明しました。そこで、1日の最後にスタッフ同士で、対応に困ったクレームを共有する時間を設けたところ、同じようなクレームを解決したスタッフが適切なアドバイスをするようになりました。これにより、クレームの共有に必要なシステム改修をすることなく、スタッフのクレーム対応の時間を大幅に削減できました。
【短所の回答例】
私の短所はスタッフの声を全て聞こうとする点です。スタッフひとり一人が抱える悩みや課題を丁寧にヒアリングすることを心掛けていましたが、私自身の勤務時間が超過し、カスタマーサポート全体の人件費を高める結果となってしまいました。私は全てを自分で確認するというこだわりを持っていることが原因だと感じたため、スタッフをグループに分け、スタッフリーダーからまとめて、悩みを報告してもらうように制度を作りました。心理的な距離がある正社員の私よりも現場のスタッフの方が、本音で話せてもらえると考えており、現在、成果を検証中です。
2-2.他に受けている企業はありますか?
【ここがポイント!】
転職希望者にとって、志望動機を伝えた手前、この質問に苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、採用担当者は志望動機の矛盾を突きたいわけではなく、自社への入社タイミングや他社の評価、競合他社の中での自社の立ち位置を把握するために質問しています。
そのため、複数の企業を受けている場合は選考過程も含めて、正直に答えても問題ありません。
しかし、志望度合いは、必ず「第一志望」と伝えておきましょう。
第一志望でない応募者とわかると、企業側も内定辞退のリスクが高いと判断し、不合格通知を出してしまいます。
また、志望する職種・業種を一貫させておくことで、志望動機の矛盾を防ぎ、面接準備を迅速に進められます。
【回答例】
はい、前職のエンジニアとしての経験を活かせる役職をいただける企業3社の選考が進んでおります。ひとつは次が最終面接となり、御社と同じく、その他の企業様は2次面接に呼ばれています。御社はプレイングマネージャーを推奨していただいており、私のキャリアプランとも合致する部分がございますので、第一志望とさせていただいております。
3.20代の転職希望者によく聞かれる質問と回答例
20代の転職希望者は、転職市場でも価値が高い年代となります。
一方で、テクニカルスキルやマネジメントスキルが乏しい傾向があるため、ヒューマンスキルを中心にアピールしましょう。
ビジネスラボでは、テクニカルスキル、マネジメントスキル、ヒューマンスキルに関する詳細をご紹介していますので、以下の記事もご参考ください。
<面接で合格を勝ち取る長所・短所の伝え方、面接官の視点で解説!>
3-1.あなたにとっての仕事とは何ですか
【ここがポイント!】
この質問の意図は積極性や熱意、キャリアプランの有無、価値観を知るためと考えれます。
20代の転職者は業務を覚えるスピードも高く、体力もあるため、熱意や主体性が重視されます。
また、ビジネスパーソンとして未熟な部分も垣間見える年代のため、仕事に対する考え方や価値観が自社の社風と合っているかどうかも確認されます。
共通する価値観は、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できるため、企業選びや面接対策では、面接を受ける企業の経営理念や事業方針を確認しておきましょう。
【回答例】
私にとっての仕事は「喜びを共有できる機会」です。ビジネスはお客様のためになるサービスを提供し、お客様が喜びを実感された時にはじめて、最大の価値が生まれると考えています。お客様の喜びは私の仕事に対するモチベーションを高めてくれます。また、お客様の喜びを自分だけでなく、チームメンバー、事業部のメンバー、そして会社のメンバーと共有することで、社会の存在意義を実感できます。まだまだ未熟で足りないところも多数ありますが、「お客様に喜びを実感していただく」という点は曲げることのない私の信念だと考えております。
3-2.あなたのキャリアプランを教えてください
【ここがポイント!】
20代の転職希望者は知識や経験が足りない分、潜在能力を評価し、挑戦できる環境を与えた上で、戦力化を狙う企業が多いといえます。
そのため、明確なキャリアプランを描いているかを重視します。
20代前半の転職では、キャリアプランの代わりに将来の夢を伝えても問題ありません。
しかし、20代後半はマネジメント能力を求められる場合もあるため、明確なキャリアプランを用意しておきましょう。
【回答例】
大学卒業後、3年間、デザイン会社でデザイン作成や企画提案の業務に携わりました。いずれは「海外でも通用するデザイナーになりたい」という夢があったため、退職後はオーストラリアに2年間ワーキングホリデーに参加しました。ビザの関係上、半年間、限定された職業に従事する期間がありましたが、その期間以外は現地のデザイン会社にインターンとして勤め、海外でのデザイン志向や仕事の進め方を学びました。帰国後は海外のデザイン業界の仕事の感覚と英語能力を活かして、グローバル事業に携わりたいと考えております。
4. 30代の転職希望者によく聞かれる質問と回答例
かつての日本社会では、「転職は35歳まで」という神話がありましたが、現代を生きる30代はマネジメント能力や実績も豊富なこともあり、転職市場での価値が高まっている世代です。
そのため、採用担当者も即戦力となるかを判断するための質問を用意しています。
4-1.マネジメント経験について、聞かせてください
【ここがポイント!】
30代以上の転職では、マネージャーや課長など具体的な役職経験の有無も確認されます。
一方で、30代前半の転職希望者は具体的な役職についていなくても後輩や関係会社のスタッフのマネジメント経験があれば、評価対象となります。
そのため、プロジェクトリーダーや主任などの経験がある場合、しっかりとアピールできるように準備しましょう。
【回答例】
前職は規模の小さい企業だったこともあり、直属の上司は部長のみでした。
そのため、明確な役職を就任した経験はありません。しかし、事業部はプロジェクト単位で業務を遂行しており、プロジェクトリーダーを任されておりました。プロジェクトの責任者として、事業計画書の作成やプロジェクトメンバーの目標設定の支援、業務の進捗管理を行い、チームとして最大限のパフォーマンスを生み出せる環境作りを大切にしていました。また、中途採用の面接官や後輩育成にも関わらせていただいたので、その経験を活かしたいと考えております。
4-2. 管理職として大切にしていることは何ですか?
管理職経験者の場合、管理職として、どのような役割を果たすかを質問されます。
また、部下との関わり方やチームを引っ張るリーダーシップなども評価対象となります。
実際に行ったマネジメント手法を、具体的なエピソードも交えて、マネジメント能力をアピールしましょう。
具体的な成果も一緒に提示できると効果的です。
【回答例】
管理職の最大の役割は「チームとして結果を残すこと」と考えています。それには、チームメンバーが主体性を持って、業務を遂行することが不可欠だと考えています。私はメンバーに対して「何かひとつだけ誰にも負けない強みを持って欲しい」と常時伝えるようにしています。メンバーが自分だけの強みを選択する際も、本人の適性や能力を考慮して、助言・支援を行い、チームメンバー同士で強みが被らないようにしています。ひとりに一つの強みを伸ばしてもらうことで、メンバーが自分に対する自信を持てるようになります。そして、メンバー同士が弱点を補う関係性を構築し、最終的にチームとしての生産性を最大限に高めることができました。このマネジメントを実施した結果、事業部の中での通期売上トップを記録し、表彰もいただきました。
5.逆質問で押えたいポイントと質問例
面接が終われば、採用担当者から応募者からの質問を促されます。
逆質問しないことは入社意欲が低いとみなされ、マイナスの印象を持たれるため、必ず質問したい内容をまとめておきましょう。
逆質問では以下のポイントを押さえることで、入社意欲を高め、入社との不安の解消にもつながります。
【逆質問で押えたいポイント】
- 条件に関する質問は、企業側から提示されてから行う
- 事前に調べればわかる質問はしない(NGポイント)
- 面接官が説明した内容を繰り返し質問しない(NGポイント)
- 逆質問は3~5個用意しておく
- 面接官の役職や役割に合った質問をする
※人事部の採用担当者の場合は評価制度の詳細を尋ね、事業部長クラスの採用担当者の場合は現場業務の詳細を尋ねましょう。稀に同僚となる方が採用担当者となる場合があります。その際は、職場の雰囲気などを尋ねてみましょう。
【逆質問の具体例】
逆質問は入社意欲をアピールするために活用できます。
以下に採用担当者の好感度を高める逆質問例をご紹介するので、参考にしてみてください。
- わたしと同年代の方は、どんな活躍をされていますか
- 御社で管理職を目指したいと考えていますが、どんな適性能力を期待されていますか
- 入社までに準備しておくこと、勉強しておくことはございますか(最終面接のみ)
- 御社に入社後、最も早く実績出した方はどれくらいの期間で達成されましたか
- 御社で仕事をする上で、どんなことを心掛けるべきでしょうか
自分自身のキャリアプランや挑戦したい業務、役職に関わる質問を中心に聞いてみましょう。
まとめ
転職を成功させる方は、面接に対する事前準備を怠りません。
また、今回、ご紹介させていただいたとおり、面接では採用側が何かしらの意図を持って、質問を準備しています。
時には臨機応変の受け応えを求められますが、面接の質問に関するポイントを押さえておけば、難なく対応できます。
また、転職を成功させるためには、社会人としてのビジネスマナーも守らなければいけません。
ビジネスラボでは転職の面接に役立つコツやビジネスマナーも紹介しています。
こちらの記事も併せて、確認してみてくださいね。