
「会社を辞めたい」と考えている方の中で、
退職理由をどう話せばいいのか悩んでいる方、結構多いのではないでしょうか?
また、円満退職を望んでいるからこそ退職理由に悩んでいる方もいるでしょう。
円満退職をすることができれば、辞めるときの気持ちも全然違ってくるはずです。
そのためにも円満退職をすることをおすすめします。
そこで、円満退職するための方法として退職理由を中心に、
退職までの流れや退職の心構えについてもお伝えしていきます。

1. 退職理由は『本音と建前』
会社を辞めるとき、スムーズにかつ円満退職することが理想ですよね。
円満退職するためには、退職理由は本音の部分ではなく建前を伝えるのが大切です。
事実、本音と建前を使い分けている人がほとんどです。
あなたの周りで退職した人がいれば、きっとその人も本音と建前を使い分けていたはずです。
では実際、退職した人の本音の理由について気になる方もいるのではないでしょうか?
またこのランキングの中に、あなたの退職理由にあてはまるものもあるでしょう。
そこで、リクナビNEXTが行った退職理由の本音についての調査結果を基にみていきます。
出典元 URL https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/4982/
<退職理由のホンネランキング>
順位 | 理由 | 比率 |
1位 | 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった | 23% |
2位 | 労働時間・環境が不満だった | 14% |
3位 | 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった | 13% |
4位 | 給与が低かった | 12% |
5位 | 仕事内容が面白くなかった | 9% |
6位 | 社長がワンマンだった | 7% |
7位 | 社風が合わなかった | 6% |
7位 | 会社の経営方針・経営状況が変化した | 6% |
7位 | キャリアアップしたかった | 6% |
10位 | 昇進・評価が不満だった | 4% |
1位が「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」、
2位に「労働時間・環境が不満だった」、
3位は「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」と上位3位をみてみると、
社風や人間関係が原因で退職していることが多いことが分かります。
しかし、このような理由をそのまま伝えるわけにはいきません。
そこで必要になってくるのが、『本音と建前』の使い分けです。
辞める理由に対して、しっかり理解と納得をしてもらう事が一番の理想ではないでしょうか?
<建前の理由例>
・今の職場に不満はないが、○○に興味ができたので、それに関わる仕事をしたい
・元々、自分の夢であった○○の分野に挑戦したい
・自分のステップアップのために、これまでの経験を活かして新しい環境で自分の力を試してみたい。
・新たにやりたいことを見つけたので、資格をとるため勉強に専念したい
マイナスな理由であれば、建前の理由を考えるべきです。
しかし、引き留めてくる会社や上司ももちろんいます。
他の部署への異動をもちかけられることもあります。
そこで、引き留められないようにするためのポイントとして、
・退職時期は、会社の繁忙期とずらす
・上司への相談のタイミングは1ヶ月以上の余裕を持つ
・「退職するべきか」の相談はしないこと
・絶対に退職したいなら、「条件」を退職理由にしない
・「かならず退職する」という強い意思を持つこと
という点に気をつけて頂けたら、引き留められる可能性は低くなるでしょう。
それでも強引に引き留められるという可能性も考えられます。
そのときは、円満退職できなくなることは覚悟して「転職先が決まっている」や、
「退職の意思が揺るがない」ことを伝えるようにしましょう。
どのような理由であなたを引き留めているにしても、必要としてくれていることに間違いはありません。
上司の角を立たせないためにも、
「身に余るお言葉ありがとうございます。ですが、辞める意思に変わりはありません。」など
一言添えることで印象も変わってくるでしょう。
感謝の気持ちと、この会社ではできないことがあるという旨を伝えるようにしてください。
また、個人的な事情での辞め方は、
・結婚することを機に、寿退社
・旦那の転勤で、地方に引っ越すことになった
・親の介護に専念しないといけない状況になった
・家業を継ぐことを決意した
・健康状態が悪化してしまい、静養することにした
などがいいでしょう。
しかし、結婚する予定のない人や、介護をしないといけない状況ではない人など、
全く関連性のない理由や嘘はよくありません。
いい辞め方ができても、あとで嘘がばれるとあなたの信用を失うことになります。
これからも関係を続けていきたい人もいるはずです。
また、どこかで繋がりができるという可能性も考えられます。
このような理由にするときは本当にその予定がある場合だけにすることをおすすめします。
2. 退職までの6つの順序
円満退職するには、退職理由だけではなく順序を踏んでいくことが大切です。
ここでは退職までの順序についてご紹介します。
<円満に退職するための6つの順序>
①就業規則の確認
辞めると決意したら、まずは会社の就業規則の確認をしてください。
会社の就業規則に、「退職の意思表示は○か月前までに」と記載されていることが多いです。
法律では「14日前まで」に退職の意思表示をすればいいことになっていますが、
円満退職するためには就業規則に従うことが一番でしょう。
②直属の上司に相談
まず、最初に伝えるのは直属の上司です。
直属の上司を飛び越えて、上役や別部署の上司に伝えることはいけません。
同僚や部下などに話すのもやめておきましょう。
伝える際には、一方的に退職の意思や退職希望日を伝えるのではなく、
あくまで相談ベースということを忘れてはいけません。
しかし、ここでの相談は退職するかしないかではなく、
退職したいのでふさわしい時期や引き継ぎについての相談をしましょう。
また軽い気持ちではなく考え抜いた末の結論であること、
退職後もつながりを大事にしたいということを伝えることも大切です。
③退職願・退職届提出
退職交渉を終えてから、退職願・退職届を提出します。
退職の切り出し時に退職届等を提出すると受取手が困惑してしまいます。
退職交渉が終わってから提出するようにしましょう。
また、退職願・退職届のどちらを提出するべきかは上司に相談するか就業規則を見て確認しましょう。
就業規則に記載されていないなど、分からない場合は退職願を提出します。
退職願は退職届と比較して柔らかい印象を与えるためです。
④引き継ぎ
退職日が決まったら、そこから逆算し引き継ぎのスケジュールを立てることは必須です。
最後まで責任を持って業務の引き継ぎや、残務処理を行ってください。
後任者にメモを取ってもらったり、口頭で伝えたりするだけではなく、業務の進歩状況や内容、
踏まえるべき留意点などをいつでも参照できるように、資料を作成しておくといいでしょう。
資料を見れば何でも分かるというのがベストです。
⑤社内外への挨拶
取引先への挨拶や社内外の関係者にできるだけ対面で挨拶をしに行くことも大切です。
そのときに、後任者と一緒に行こといいでしょう。
後任者の紹介を行っておくことで、
取引先と後任者がスムーズに新たな付き合いを始めることができます。
⑥社内への挨拶まわり
最終出社日にはお世話になった人への挨拶まわりは忘れないようにしましょう。
それほど関わっていない人も、
一言「お世話になりました」と伝えることで良い印象を与えることができるでしょう。
2-1. 退職日にふさわしい時期とは?
円満退職するためには、退職の時期も考えなければいけない点です。
自分都合で決めてしまうのではなく、会社や同僚のことを考えることが大切です。
例えば繁忙期は避けるなど会社都合を考える必要があります。
<退職日の決定>
退職は自分の人生だけでなく、所属する会社や組織に少なからず影響を及ぼすもの。
民法では「14日前まで」に退職の意思表示をすればいいことになっています。
(正確には14日経過後の15日目に退職できる)
会社の就業規則に、「1か月前までに退職願または退職届を出さない場合、退職を認めない」
と記載されていても法律が優先されるため、従う必要はありません。
しかし、円満に退職するためにも、退職の意志が固まり次第、
なるべく早く、まずは退職の意向を直属の上司に伝えましょう。
2~3か月前がベストです!
円満退職するために、プロジェクト終了時期など、仕事のキリに合わせて退職する。
繁忙期は避けるなど、会社や同僚に配慮しましょう。
今の仕事をやりきった上で、同僚に迷惑を掛けず、
キリの良いタイミングで退社するのがベストです。
プロジェクト単位の働き方ならば、その切れ目。
管理部門などは、年度末や決算期、四半期などの期末が良いでしょう。
<ボーナスの時期を考えよう>
ボーナスをもらってから退職したい場合にも注意が必要です。
ボーナスには本来、過去の業績に対する報酬と、今後の働きへの期待が含まれるため、
賞与額が決まる前に退職を申し出ると査定が下がり、ボーナスが減額される恐れもあります。
ただし半分以下などあまりに大きな減額は、
不当として労働基準監督署などに相談したほうがいいでしょう。
そうしたトラブルを未然に防ぎたいのであれば、支給額が決定してから最低、
1カ月ほど期間を置いて退職を申し出ることで、計画的なボーナス退社という印象が薄れます。
退職することと退職日が決定したら、業務の引き継ぎはしっかりと計画を立てましょう。
最後まで責任を持って業務の引き継ぎや、残務処理を行うことも、円満退職には欠かせません。
後任者が業務の進歩状況や内容、踏まえるべき留意点などをいつでも参照できるように、
引き継ぎのポイントを文書・マニュアルでまとめておくと良いでしょう。
また、顧客や取引先に関するデータも分かりやすく整理し、
退職までに顧客や取引先を回って退職のあいさつや後任者の紹介等をすることもお忘れなく。
<失業保険>
自己都合の退職でも失業手当をもらえることはご存知でしょうか?
条件に差はありますが、自己都合退職であっても失業保険はもらえます。
失業手当の総額は、雇用保険加入期間と今までの賃金で変わってきます。
ちなみに、会社都合での退職の場合は、離職後すぐにもらえるケースが多いです。
しかし、自己都合退職の場合、退職してから3か月は給付を待たなければいけません。
気になるのが給付金額ですよね。以下を参考にしてください。
【失業保険の給付金額】
賃金日額=退職前6か月間の給料の総額÷180日
ちなみに、給料にはボーナスは含まないが、残業代と手当は含まれます。
賃金日額に対して年齢や収入の条件別にある割合を乗じたものになり、
45%~80%相当が1日あたりの手当となります。
※毎年計算式が見直されているようなので、
詳しく知りたい方はハローワークに問い合わせてください。
失業手当がもらえるからといって安心してはいけません。
手当だけで生活をしていくことは不可能です。
辞めたあと自分はどうしたいのか、どうなりたいのか。
本当に今の会社を辞めることが、自分のこれからの人生を良い方向に変えられるのか。
辞めてしまってから後悔するのでは手遅れです。
仕事を辞めるということは、その分リスクもあります。
ではどのようなリスクがあるのかを次の項目でお伝えしていきます。

3. リスクの心構え
仕事を辞めたあとのリスクについて考えたことがありますか?
もし一時的な感情で辞めようとしているなら、一度冷静になって考え直すべきです。
・辞める理由は何なのか
・今の職場で改善できることはないのか
・なぜ今の会社に入ったのか
この3点についてよく考えてみてください。
もしかしたら、今辞めるべきではないと気付くかもしれません。
辞めてから、後悔なんてしたくないですよね。
そのためにも、今しっかりと考えることが大切なのです。
2つのリスクについて、
<収入が不安定>
まずは当然、収入面です。
転職先が決まっていれば別ですが、そうでない場合この問題に頭を悩ますことになるでしょう。
簡単には見つからないかもしれません。
仕事を辞めて無職の状態が続くともちろん収入は0になります。
生活をしていくためには必ずお金が必要です。
その状態が続けば続くほど不安に陥り精神的にも疲れてくるでしょう。
<手続きが面倒>
ちなみに、仕事を辞めたあと必要な手続きがあることをご存知ですか?
「健康保険」「年金保険」「雇用保険」の3つの手続きです。
今までは会社が全て手続き等をしてくれていましたが、退職すると保険は喪失されます。
次の仕事が決まるまでの間、無保険というわけにはいきません。
また、保険に入っていない状態で病院に行けば、全額支払わなければいけないのです。
辞めたあとのことをよく考えた上で、辞める決意をするべきです。
また、転職先が決まっていない方は、
「今すぐに辞めたい」というのでなければ、転職先が決まってから退職することをおすすめします。
4. まとめ
「仕事を辞めたいな」とただ単に思う程度であれば、もう少し頑張ってみてはいかがですか?
1つの会社で長く働き続けることが偉いというわけではありませんが、
仕事を辞めたあとのリスクはなかなか大きいものです。
それでも退職の意思が揺るがない人は、
ここに書いてある情報を参考に、まずは退職までの計画を考えてみてください。