
転職活動を行っている方の中で、
履歴書を完璧に仕上げられる方って意外と少ないのではないでしょうか。
履歴書は企業に提出する大変重要な書類です。
担当者は面接の前に必ず目を通しどんな応募者なのか想像を膨らませます。
その際に良い印象を与えることができれば、
面接を一歩リードした状態で始めることができると思いませんか?
ここでは、みなさんがそうなるように履歴書で採用確率をアップさせる方法及び履歴書の正しい書き方について解説しています。

1.ポイント1「写真」
採用確率をアップさせる一つ目のポイントとしては写真です。
たかが写真と侮ってはいけません。
その理由は、履歴書を手にしてまず目に入るのが写真だからです。
意識しているしないに関わらず、
人間の心理としてぱっと目に入ってくるでしょう。
履歴書に記入している内容よりもまず、
写真の表情や髪型、服装が見られる訳です。
良い印象を持ってもらえる写真を履歴書に貼っておけばそれだけで一歩リードできます。
そのため、履歴書の写真は意外と手を抜いてしまいがちですが、
写真のクオリティには十分注意しておく必要があります。
ベストなのはスピード写真を利用するのではなく、
写真館などでプロの方に撮ってもらうのがいいかと思います。
しかし、当然写真館などで撮影する場合は手間も費用も余計にかかってしまいます。
スピード写真でも何点か意識しておけば、
良い印象を持ってもらえる写真に仕上げることができます。
その方法についてお伝えしていきます。
<意識しておくべき点>
・額を出す
男性、女性に関わらず、額を出すだけで清潔感を演出することができます。
そのため、髪型には注意しておきましょう。
長すぎる場合は事前に整えておくのがベストです。
男性の場合はワックスなどでしっかりとセットし、
女性で髪が長い場合は後ろで一つにまとめ額を出すことを意識してください。
・表情
表情は非常に重要なポイントです。
写真での表情が暗いとそれだけで少し消極的な性格と勘違いされてしまうこともあります。
明るく、爽やかな表情で写真を撮影するように意識しましょう。
お伝えする方法が少し難しいですが、目を多少見開き、
口角を少し上げ多少の笑みが感じられるような表情が明るく爽やかな印象を持ってもらえます。
・服装
当然ですが、基本的にはスーツです。
ジャケットは黒や紺など濃い目の色を選んだ方が、顔が引き締まって見えるようです。
インナーは無難に白にしておいた方がいいでしょう。
清潔感を演出できるように意識してください。
・その他
正面のガラスが汚れている場合はティッシュなどでキレイにしておきましょう。
汚れているままだと少しぼやけてしまう恐れがあります。
また、膝の上に白い紙を乗せておけば光が反射し明るく映ってくれるようです。
これらの点を意識するだけでガラリと印象を変えることができます。
当然、面接当日も髪型、表情、服装には注意しておくようにしましょう。

2.ポイント2「自己PR」
2つ目のポイントは「自己PR」です。
自己PRは名前の通り自分を企業に対してアピールするためのものです。
そのため、採用担当者も「どんな応募者なのだろう」と気にしながら目を通してきます。
書き方を工夫し上手く伝えることができれば採用確率アップに繋がるはずです。
ここでは、そんな自己PRの書き方について詳しくお伝えしていきます。
2-1自己PRを書くために
まずは、自己PRを書く前にやっておくべき大切な作業についてお伝えしていきたいと思います。
いきなり、自己PRを書き始めるのはNGです。しっかりと書く前に準備しておく必要があります。
書き方についてみていく前に必須の準備作業についてお伝えしていきます。
・経歴を振り返ろう
自己PRを書くための準備として大切なのは自分の経歴を振り返ることです。
「書く内容が思いつかない」と悩んでいる方の多くは、
この準備作業を疎かにしている可能性が高いのではないでしょうか。
転職を成功させている方の多くは経歴を振り返り、
自分の強みが何なのかを把握できておりそれを上手く自己PRの中で伝えています。
リクルートエージェントが転職成功者100人にどのようにして自分の強みをみつけたのか、
というアンケートをとってくれていましたのでそちらの載せておきます。
強みを見つける自己分析の方法 ※複数回答
| 自己分析の方法 | 回答者数 |
| 今までの業務経験を振り返った | 95名 |
| 業務上意識している点を思い返した | 65名 |
| 周囲に自身の強みを聞いた | 40名 |
| 周囲に評価された点を思い返した | 30名 |
上記のように経歴を振り返る作業に関して具体的に言うと、
・今までどんな仕事をしてきたか
・仕事ではどんな成果を上げてきたのか
・結果を出すために工夫したことはどんなことか
・経験によって得られたことはどんなことか
・仕事でうれしかった体験は何なのか
・夢中になって取り組んだ仕事はどんな仕事か
・仕事を行う上で役立っている長所はなにか
・仕事上のポリシーや大切にしているポイントは?
・周りから仕事面でどういう評価をされているか
・今までで大変だった仕事はどんな仕事か
・持っている資格はどんなものがあるか
・資格は業務にどう直結してきたか
などの内容をメモに書きだしていくだけでOKです。
書きだす際のポイントとしては、
どんな経験を積んできたのか、これまでの経歴を一つひとつ細かく確認していくことです。
仕事を通じてどのように成長し、会社に対してどんな貢献ができたかを整理していきましょう。
また、長所などを書きだして自分の個性を把握しましょう。
人づきあいでの役割はどうだったか。
例えば、飲み会で幹事を任されていた場合は、段取りが上手く、
気配りに長けていると職場の人たちに評価されていた証拠です。
自分の性格がその仕事にどのような貢献を与えられるか導き出すのがポイントです。
自己PRを書くための準備作業として、
自分の経歴を振り返っていただいたのは自己分析をするためです。
自己分析をしていただくことで自分の強みが分かってくると思います。
その強みを上手く伝えることができれば転職が成功する確率を上げることができるでしょう。
ちなみに、強みというのは何も特別なスキルや経験、実績などの成果である必要はありません。
リクルートエージェントが転職成功者100人に自己分析の結果見つかった強みについて、
アンケートを取ってくれていましたのでそちらを載せておきます。
自己分析の結果見つかった強み 回答は3つまで
| 見つかった強み | 回答数 |
| コミュニケーション能力 | 53名 |
| 行動力 | 43名 |
| 業務に関する専門スキル | 34名 |
| 仕事に対する意欲 | 33名 |
| 実績 | 28名 |
※以下、「調整力」「マネジメント能力」「資格」「語学力」「人脈」となっています。
この結果から専門性や実績がなくても今まで身に付けてきたビジネスの基礎能力が十分に強みとして活かせることが分かります。
無理をして、特別な才能をアピールする必要はないのです。
経歴を振り返っていただき、書きだす作業が履歴書を完成させるうえでも、
転職を成功させるうえでも一番重要な作業だと思います。
この作業がしっかりとできたら自己PRについては8割近く完成しているといっても過言ではありません。
後は少しのテクニックだけで十分です!
2-2自己PRを書く上でのテクニック
先ほどの項目で自己PRにどういった内容を書けばいいのかについては理解していただけたかと思います。
ここでは、実際にどういった形で書いていけばいいのかについてご説明していきます。
・応募先のことを考える
自己PRを活かす上で大切なのは、自分の強みが応募先の企業にマッチしているかどうかです。
職務経歴書に記入する自己PRが応募先で活かせないものであれば残念ながら意味がありません。
応募先の企業、職種ではどういったスキルが求められているのかを把握する必要があります。
そこの部分さえずれていなければ効果的な自己PRと言えるでしょう。
・結論から伝える
文頭で結論を伝える形の書き方にしましょう。
自分の強みが何なのかを一番最初に持ってくることで担当者に最後まで読んでもらえる可能性が上がります。
逆に強みを最後の方に持ってきてしまうと何を伝えたいのかが分かりにくくなってしまいます。
最初に結論を述べ、その後順番に根拠を示していく書き方にしましょう。
・根拠を具体的に伝える
せっかく自分の強みを把握できてもそれを相手に上手く伝えられなければ意味がありません。
上手く伝えるためには具体性を持って伝える必要があります。
具体的な内容と数字を盛り込むことであなたの自己PRの信憑性が格段に上がり、
担当者に好印象を持ってもらえるはずです。
具体的に話すためには
~という業務に取り組み、
結果を出すために(目標を達成するために)~という工夫を行い、
その結果、~という成果が出た。もしくは~と周りから評価された。など
これらの経験から~のスキルが身に付いたのでその経験を活かし貴社の~の場で発揮したい。
というような流れで順序立てて伝えれば伝わりやすいかと思います。
自分の強みを把握し、これら3点を意識して自己PRを書きあげていけば魅力的な自己PRを完成させることができるでしょう。
2-3自己PR例文
実際に自己PRの例文を簡単にですが載せておきます。
<例>
前職の営業職では顧客との関係性を重視した営業活動を行っていました。
顧客である企業担当者へ定期的に訪問・連絡を取り、何気ない会話から状況を読み取り詳細に記録しておくことで取引先のニーズに応じた商品の提案を行うことができました。その結果、昨年は営業部門30人中トップの成績を修めることができました。工夫し、結果を残せたこと、取引先と固い信頼関係が築けたことが私の中で大きな経験になったと思っています。この経験を生かし、より顧客の立場に立った提案力を磨きながら御社の営業活動に貢献し、成長していきたいと考えています。

3.ポイント3「志望動機」
3つ目のポイントは「志望動機」です。
採用担当者は、
「なぜ、うちの会社でなければならないのか」
「なぜ、数ある会社の中からうちの会社を選んだのか」という点を非常に気にします。
そのため、完成度の高い志望動機を作成できれば採用確率をアップさせることができるでしょう。
自己PR同様、志望動機も書く前の準備が必要です。
そのための準備として必要なのが企業研究です。
その方法と書く時のテクニックの2点を中心に解説していきます。
3-1志望動機を書くために「企業研究」
「企業研究」と聞くとなんだか難しそうな気がしますが決してそんなことはありません。
「相手を知ること」それだけです。
情報を入手する感覚で行いましょう。
・企業のどこに惹かれたのか
・その企業の強みはどこにあるのか(同業他社と比較して)
上記の2点を意識して行えば割と簡単に企業研究を行うことができます。
以下で、具体的にご説明していきます。
・企業HPから入手する
企業のHPから簡単に情報を入手することができます。
企業概要、企業理念、代表者メッセージ、事業内容など、
その企業を把握できる内容を見ることができますので必ず確認するようにしましょう。
企業理念からは、会社のビジョンや想いを把握できます。
そこから同業他社との違いが見えてくることもあります。
・書籍や雑誌から業界の情報を入手する
企業が所属している業界を知る上では書籍などから入手する方法がいいかと思います。
本屋さんに行けば、業界研究用の書籍などが多数置いています。
業界の主要企業や業界としての取り組みなど非常に参考になる情報が多いです。
業界を知ることは企業研究に活きてくると思います。
準備作業としては、企業研究を行っていただくだけで十分です!
次の項目では、書く上でのテクニックをご紹介していきます。
3-2志望動機を書く上でのテクニック
先ほども少しお伝えしましたが、
志望動機で大切なのは「なぜ、その企業でなければならないのか」を伝えることです。
それさえ上手く盛り込むことができれば完成度の高い志望動機にすることができます。
その方法についてここでは解説していきます。
・自分の経験、スキルが入社後に活用できる点を伝える
自己PRのところで自己分析していただいたことが志望動機でも活きてきます。
自己分析の結果、把握した自分の強みを応募先の企業と直結させます。
応募先の業界や職種で活かせる経験やスキルを積極的に伝えましょう。
例えそれが、未経験の業界への転職でも関係ありません。
企業研究を行った後であれば、
自分のどの強みが応募先で活かせることができるかがある程度把握できているはずです。
・将来のビジョンを伝える
中途採用の場合、企業は即戦力を求める傾向にあります。
しかし、当然ですが長く働き続けてくれるか、という点もかなりチェックしています。
そのため、入社後に応募先の企業でどうなっていきたいのかを盛り込むことができればかなり完成度の高い志望動機だと言えるでしょう。
以上の2点が志望動機を書く上でのテクニックです。
3-3志望動機例文
実際に志望動機の例文を簡単にですが載せておきます。
<例>
前職では営業職をしており、顧客のニーズを把握することを意識していました。
顧客である企業担当者へ定期的に訪問・連絡を取り、何気ない会話から状況を読み取り詳細に記録しておくことで取引先のニーズに応じた商品を提案することに注力しておりました。
ニーズを読み取る能力は貴社のマーケティング部門でも活かせるのではないかと考えています。
以前から貴社のブランドを愛用していたこと、前職の経験の中でマーケティングに対する興味があったことがこの度応募させていただいた理由です。入社後は貴社の商品の良さを伝え、拡販していくことに尽力していきたいと考えております。

4.履歴書の正しい書き方(項目別)
最後に履歴書の正しい書き方についてご説明していきます。
基本的な内容ですので読み飛ばしてもOKですが、意外と知らないということもあるかもしれませんので一度確認しておいてください。
<基本情報>
・氏名
名字と名前の間は一文字空けます。例 就活 太郎
ふりがなは平仮名でフリガナは片仮名で名前の上にバランスよく記入しましょう。
・住所
住所は省略せずに都道府県から記入します。
2-2-1などのように「-」を使用せず、に2丁目2番地1号と書きましょう。
・日付
写真の左横に記入する日付欄には、郵送の場合はポストへの投函日、
面接に持参する場合はその日を記入しましょう。
履歴書全体に言えることですが、西暦か元号のどちらかで必ず統一してください。
・メールアドレス
社会人として恥ずかしくないようなメールアドレスを記入しましょう。
愛称や英単語を使用しるのは避けた方がいいかもしれません。
氏名と数字の組み合わせが無難です。
GoogleのGmailなどであれば無料ですぐにアドレスを入手できます。
<学歴・職歴>
・学歴
基本的には高校の卒業からで大丈夫です。
学校名は省略せずに正式名称で記入しましょう。
県立 ○○高等学校 ●●科 卒業
△△大学 ▲▲学部 □□科 入学
などのように学部、学科名までしっかりと書きます。
・職歴
時系列に記入し、会社名は略さず正式名称で記入してください。
○○株式会社、●●有限会社など。
業務内容は職務経歴書に記入しますので履歴書では詳しく記入する必要はありません。
どの部門に配属されたか程度は記入しておきましょう。
異動で部門が変わった場合は異動した月、異動先の部門も記入しましょう。
現職の退職日が決まっている場合は「平成28年 3月 株式会社○○ 退職予定」と記入する
退職理由は詳細に書く必要はありません。
自己都合の場合は「一身上の都合により退職」
倒産など会社都合の場合は「会社都合により退職」
契約社員などで契約期間満了の場合は「契約期間満了のため退職」と記入しましょう。
<資格・趣味・特技>
・資格
資格は正式名称で記入します。
例えば、「英検」ではなく「実用英語技能検定」と記入しるようにしましょう。
漢検4級など評価されない資格は書かない方がいいです。
資格がないからといってそれだけでマイナスになることはありません。
・趣味、特技
趣味・特技は意外とアピールに繋がるケースがあります。
仕事に活かせそうなものがあれば記入しておく方がいいかと思います。
間違っても、 趣味:昼寝 など仕事に関係ないものは記入しないでください。
<その他>
・本人希望記入欄
例え、勤務条件に細かい希望があったとしても記載しないのが一般的です。
基本的には「貴社規定に従います」と記入しましょう。
以上の点を意識していただければ、基本的にはOKです!
自己PRや志望動機については後程、書き方などを含めて解説します。
5.まとめ
3つのポイントを意識し履歴書全体で正しい書き方を徹底することで採用される確率をアップさせることができます。
履歴書で記載しなければならない項目はどれも重要なものですが、
特に「自己PR」、「志望動機」については時間をかけるようにしましょう。
自己分析や企業研究など、準備作業をしっかりと行うことで完成度の高い内容に仕上げられるはずです。



