
会社を辞めたい!と思っても、正しい会社の辞め方を知らない人多いのではないでしょうか?
テレビやドラマのイメージならなんとなく分かりますよね。
でも、実際自分が会社を辞めると決意したとき、
何から行動していいか分からなくなっている人もたくさんいるでしょう。
ちなみに、悪い印象を残して辞めることは避けたいですよね。
むしろ、円満退職を望まれる方がほとんどではないでしょうか。
では、どうすればスムーズに会社を辞めることができるのか。
ここでは、正しい会社の辞め方についての順序と、
円満に退職するためのポイントをご説明していきます。
1. いい会社の辞め方とは?
会社を辞めるときスムーズに、いい辞め方をすることが理想ですよね。
また、『いい辞め方=円満退職』です。
円満退職をすることができれば、辞めるときの気持ちも全然違ってくるのではないでしょうか?
そのためには、順序を踏まえて行動することが必要です。
今の会社を辞めて気になるのが次の仕事先です。
転職活動はどうしたらいいのか。という不安を抱えている方もたくさんいるでしょう。
ではまず、辞め方の順序についてお伝えします!
1-1. スムーズに辞める方法
①直属の上司に相談
まず、最初に伝えるのは直属の上司です。
直属の上司を飛び越えて、上役や別部署の上司に伝えることはいけません。
同僚や部下などに話すのもやめておきましょう。
伝える際には、一方的に退職の意思や退職希望日を伝えるのではなく、
あくまで相談ベースということを忘れてはいけません。
しかし、ここでの相談は退職するかしないかではなく、
退職したいのでふさわしい時期や引き継ぎについての相談をしましょう。
また軽い気持ちではなく考え抜いた末の結論であること、
退職後もつながりを大事にしたいということを伝えることも大切です。
②退職願・退職届提出
退職交渉を終えてから、退職願・退職届を提出します。
退職の切り出し時に退職届等を提出すると受取手が困惑してしまいます。
退職交渉が終わってから提出するようにしましょう。
また、退職願・退職届のどちらを提出するべきかは基本的に上司に相談しましょう。
就業規則等で定められていることが多いためです
上司が指示してくれない場合は、退職願を提出します。
退職願は退職届と比較して柔らかい印象を与えるためです。
③引き継ぎ
退職日が決まったら、そこから逆算し引き継ぎのスケジュールを立てることは必須です。
最後まで責任を持って業務の引き継ぎや、残務処理を行ってください。
後任者にメモを取ってもらったり、口頭で伝えたりするだけではなく、
業務の進歩状況や内容、
踏まえるべき留意点などをいつでも参照できるように、資料を作成しておくといいでしょう。
資料を見れば何でも分かるというのがベストです。
④社内外への挨拶
取引先への挨拶や社内外の関係者にできるだけ対面で挨拶をしに行くことも大切です。
そのときに、後任者と一緒に行こといいでしょう。
後任者の紹介を行っておくことで、取引先と後任者がスムーズに新たな付き合いを始めることができます。
⑤社内への挨拶まわり
最終出社日にはお世話になった人への挨拶まわりは忘れないようにしましょう。
それほど関わっていない人も、
一言「お世話になりました」と伝えることで良い印象を与えることができるでしょう。
1-2. 辞めるのにベストな時期!
辞める時期はあなたにとっても、会社側にとってもとても大事なことです。
どの時期に辞めるのがベストなのかをしっかり考えた上で決定するべきです。
そこで、辞める時期についてのポイントと有給消化についてお伝えします。
<退職日の決定>
退職は自分の人生だけでなく、所属する会社や組織に少なからず影響を及ぼすものです。
民法では「14日前まで」に退職の意思表示をすればいい
(正確には14日経過後の15日目に退職できる)ことになっています。
会社の就業規則に、「1か月前までに退職願または退職届を出さない場合、退職を認めない」と
記載されていても法律が優先されるため、従う必要はありません。
しかし、円満に退職するためにも、退職の意志が固まり次第、
なるべく早く、まずは退職の意向を直属の上司に伝えましょう。2~3か月前がベストです!
プロジェクト終了時期など、
仕事のキリに合わせて退職すると他の社員の方の負担を最小限にできるでしょう。
また、繁忙期は避けるなど、会社や同僚に配慮しましょう。
今の仕事をやりきった上で、同僚に迷惑を掛けず、キリの良いタイミングで退社するのがベストです。
プロジェクト単位の働き方ならば、
その切れ目。管理部門などは、年度末や決算期、四半期などの期末が良いでしょう。
<ボーナスの時期を考える>
またボーナスをもらってから退職したい場合にも注意が必要です。
ボーナスには本来、過去の業績に対する報酬と、今後の働きへの期待が含まれるため、
賞与額が決まる前に退職を申し出ると査定が下がり、ボーナスが減額される恐れもあります。
ただし半分以下などあまりに大きな減額は、
不当として労働基準監督署などに相談したほうがいいでしょう。
そうしたトラブルを未然に防ぎたいのであれば、
支給額が決定してから最低、1カ月ほど期間を置いて退職を申し出ることで、
計画的なボーナス退社という印象が薄れます。
<有給の取得>
まずは、就業規則を確認しましょう。そして、有給が何日使えるのかを確認します。
上司に有給を消化したいことを伝えます。
そこできちんと、引継ぎの資料作成や、
挨拶までをどういったスケジュールで行うのかをしっかり伝えて、
有給を取得しても引き継ぎは上手くいくということを納得してもらいましょう。
有給を取りにくい会社である場合、
会社側から聞いてこない限り退職日に合意してもらえるまで有給の話を出さないことです。
有給をとりにくい会社であっても、有給は取って当たり前であるということ忘れないでください。
1-3. 最短で辞める方法!
「精神的に耐えられない」「もう我慢の限界だ」という方もいるのではないでしょうか?
限界まで達しているのに、あと1か月、2か月続けることは正直不可能ですよね。
「少しでもはやく辞めたい」というのが望みだと思います。
1-2でもお伝えしたように、
就業規則が例え「退職の○か月前までに退職を申出る」と記載されていても、
法的には14日前までに申告していれば退職することができます。
また、会社からのしつこい引き留めで退職させてくれない場合は、
退職届を提出するのがいいでしょう。退職届は形式上『◯月◯日付で退職致します。』
という強い退職の意志表示を示す書類です。
また、退職届を提出された会社は民法により、
退職届の提出をした雇用者を退職させる義務があります。
ただ、しつこく引き留めてくるような会社であれば、
退職届を受け取ってくれないという場合も考えられます。
そういったときの最終手段として、
内容証明郵便で退職届を2週間前までに郵送してください。
内容証明郵便とは、
書留郵便の一種で「誰が/いつ/誰あてに/どのような内容の郵便を出した」のかを、
郵便局が証明してくれる郵便サービスです。
内容証明郵便で送れば、
会社との間で退職届を「出した」「受け取っていない」などのトラブルを回避することができます。
「転職先が決まっていて、
入社日がせまっているのにも関わらず、なかなか辞めさせてくれない!」
という場合ならこの手段を取らざるを得ないかもしれません。
しかし、これは最後の手段です。
もちろんいい辞め方ではないのでおすすめすることはできません。
円満退職したいと思っている方や、
これからも会社の人と関係を続けたいと思うのであれば、
少し我慢して就業規則に従って退職することをおすすめします。
民法では「退職の意思は14日前まで」となっていますが、
セクハラやパワハラなどのやむを得ない理由の場合は即時に退職することができます。
こちらも民法で定められています。
1-4. 辞めると決めたら転職活動!
あなたが会社を辞める理由は何ですか?
勢いや一時的な感情だけで決断していないですか?
本当に辞めるべきかもう一度考えてください。
もしかしたら、今の職場で改善できることがあるかもしれません。
誰にも相談せずに一人で決断した人は一度誰かに相談してみてください。
あなたのことをよく理解してくれている人や信用できる人、家族でもいいでしょう。
相談することで客観的な意見が聞くことができますし、冷静になって考えることができます。
しかし、社内の人へ相談する場合は気をつけて下さい。
他の社員や上司にばれたり、噂になったりすると、あなたの立場が悪くなる可能性があります。
それでも、辞めると決意した方は、転職活動を行っていきましょう。
仕事を辞めてから、「さぁ!転職活動するぞ!」と動き出すのでは遅いです。
今の会社に不満があって辞める人は、
転職先ではもちろんその不満を取り除ける会社を見つけたいですよね。
また目的や、やりたいことがある人はそれらを叶えられる会社でなければ意味がありません。
仕事を辞めてからだと、なかなかいいところが見つからない、
内定がもらえないと焦ってしまい、結局後悔する羽目に…ということも考えられます。
また、転職活動期間が長くなればなるほど、転職はますます不利になっていきます。
無職期間が半年をこえると面接官のつっこみが厳しくなり、
せっかく面接まで進んでもそこでつまずいてしまっては意味がありません。
そういった点も踏まえると、在職中に転職先を見つけることが一番いいでしょう。
転職活動がリスクにならないように、余裕を持って転職活動を行ってください。
気を付けてほしいのが、在職中に転職活動を行う際、表立った行動は避けてください。
「退職するらしいよ」という噂が広まり、いい印象は与えません。
また「忙しいのによく転職活動する時間があるな」
という周囲からあなたへの不平にもつながってしまいます。
余裕を持つためにも、
辞めると決めたなら転職活動を始めていくべきです!

2. 「ホンネ」と「タテマエ」
目次1では、スムーズに会社を辞めるための順序をご紹介しました。
でもそれだけでは、いい辞め方はできません。『いい辞め方=円満退職』ですよね。
仕事の辞め方として、円満退職は、社会人のマナーとも言えるでしょう。
そこで必要になるのが、「本音と建前」をうまく使い分けることです。
なぜなら、「仕事内容がおもしろくないから辞めます」
と伝えて会社側やそこで働いている人たちがいい思いをするわけがないからです。
辞める理由に対して、しっかり理解と納得をしてもらうため、
引き止められにくくするには工夫が必要です。
では、本音と建前の理由をみていきます。
【本音の理由】
・会社の社風が合わない、方針に納得できない
・上司との関係性が良くない
・給料や福利厚生など待遇がよくない
・仕事内容にやりがいが感じられない
・会社に安定性や将来性がない
【建前の理由】
・今の職場に不満はないが、○○に興味ができたので、それに関わる仕事をしたい。
・今の仕事に不満はないが、業務の中で興味を持った分野に特化して、より専門性を高めたい。
・今の仕事に不満はないが、自分の能力を高めるために新たなチャレンジがしたい。
・自分のステップアップのために、これまでの経験を活かして新しい環境で自分の力を試してみたい。
マイナスな理由であれば、建前の理由に言い換えるといいでしょう。
しかし、引き止めてくる会社や上司ももちろんいます。
他の部署への異動をもちかけられることもあるでしょう。
そこで、引き止められないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか。
ポイントとしては、
・退職時期は、会社の繁忙期とずらす
・上司への相談のタイミングは1ヶ月以上の余裕を持つ
・「退職するべきか」の相談はしないこと
・絶対に退職したいなら、「条件」を退職理由にしない
・「かならず退職する」という強い意思を持つこと
という点に気をつけて頂けたら、引き止められる可能性は低くなるでしょう。
もし、それでも強引に引き止められるようなことがあれば、
「転職先が決まっている」や、「退職の決意が揺るがない」ことを伝えるようにしましょう。
どんな理由で引き止めているにしてもあなたを必要としてくれていることに間違いはありません。
感謝の気持ちと、この会社ではできないことがあるという旨を伝えるようにしてください。
また、個人的な事情での辞め方は、
・結婚することを機に、寿退社
・旦那の転勤で、地方に引っ越すことになった
・親の介護に専念しないといけない状況になった
・家業を継ぐこと決意した
・健康状態が悪化してしまい、静養することにした
などがいいでしょう。
しかし、結婚する予定のない人や、
介護をすることがない人など全く関連性のない理由や嘘はよくありません。
いい辞め方ができても、あとで嘘がばれるとあなたの信用を失うことになります。
これからも関係を続けていきたい人や、またどこかで繋がりができるという可能性も考えられます。
「辞めるから関係ない」と割り切れる人はいいかもしれませんが、
このような理由にするときは本当にその予定がある場合だけにすることをおすすめします。
3. 辞めたくても辞められない人へ
ここまでは会社をスムーズに辞めるためのポイントをご説明してきました。
しかし、ここに書いてあるように、スムーズに辞められない方もいるのではないでしょうか?
なかには、辞めたくても辞められないって方もたくさんおられるかと思います。
その理由には、個人的な問題なのか、会社に問題があるのかどちらかである場合が多いでしょう。
一番多いのは、人材不足な会社です。
人材が足りないから辞めさせてくれないとか、逆に、
人材が少ないから他の社員に気を遣って会社を辞めることができないって方がたくさんいます。
本来、企業が従業員の退職を拒否することはできません。
しかし、その常識が通用しないような企業(ブラック企業)にお勤めの方もいるでしょう。
どうしても辞めたいのに辞めさせくれないとなると労働基準監督署に相談するという方法もあります。
どんな事情であれ、あなたの人生です。
他の人に気を遣って辞められずにいるなんてもったいなくないですか?
人材が足りないのはあなたのせいではありません。会社の原因です。
辞めさせてくれない場合こそ、辞めるための準備を始めていきましょう。
一番辞めやすいのは、転職先を見つけてしまうことです。
転職先が決まってしまえば、会社側も受け入れざるを得ないでしょう。
「転職先が決まって、
○月○日から新しい職場で働くので、△月△日には退職します」と伝えれば大丈夫です。
ですが、引き継ぎ期間や、引き継ぎの資料などはしっかりと準備が必要です。
それでも会社が辞めさせないと受理してくれない場合は、退職届を提出してください。
提出し受理さえすれば、2週間経過することで退職が成立します。
これは最終手段として頭に入れておいてもらうだけでいいでしょう。
4.ちなみに・・・
退職することが決まり、退職日が近づいてくるといろいろな書類にサインを求められます。
その書類の中には、「誓約書」のようなものも含まれているでしょう。
例えば、
「業務中に知りえた個人情報などは辞めたあとも漏らしてはいけません」などです。
場合によっては、
「競合他社に転職してはいけない」という文言が書かれている場合もあるでしょう。
書いてある内容を見てサインするのが怖くなる場合もあるかもしれません。
個人情報の漏洩など法律に違反する内容は当然NGですが、
特殊な技術者などを除いては基本的に転職することで罰則を受けることはありません。
サインしないと少し角が立ってしまう可能性が考えられます。
サインをすることによってあなたに害が及ぶようなことは基本的にはありません。
5. まとめ
会社を辞めるにはそれなりの勇気と覚悟が必要です。
辞めるまでの期間、今の仕事をしながら、
引き継ぎも並行して行わなければいけないし、転職活動もしなくてはいけません。
そこまでの覚悟が定まれば、行動に移していきましょう。
会社を辞めることは、いけないことではありません。それなりの理由があるはずです。
新しい環境になるとたくさんの出会いがあるでしょう。
今の何倍も楽しい人生にするためにも、ここでお伝えしたことを忘れずに実行してください。