
現在の仕事に不満があり転職したいと思っているが、
30代という年齢がネックで一歩踏み出せない人も多いのではないでしょうか?
たしかに、年齢を重ねるごとに企業の募集は減ってきます。
しかし、30代という年齢を武器に変え、転職を成功させた人も多くいます。
この記事ではデータを基に、30代の転職を成功させるためのポイントについて解説していきます。

1. 30代の「転職の現状」について
30歳を機に転職を考えられる方も多くいるはずです。
社会人になって7~10年経ち、ある程度のキャリアやスキルが身についている頃でしょう。
「今の会社では先のことを考えられない」や
「キャリアアップや給料アップ、やりがいのある仕事がいしたい」と考える人はたくさんいます。
では実際、30歳で転職を考え始める人はどのくらいいるのか、
転職・求人サイトのDODAが行った調査結果を基にみていきます。

出典元 URL https://doda.jp/guide/ranking/058.html
20代と比較すると2分の1以下ではありますが、
30代ではやはり、35歳までに転職を考える人が多いことが分かります。
次に、30代の転職理由についてみていきます。
転職を考える理由は様々ですが、
「こんな理由で転職を考えるのはどうなんだろう」と考えたことはありませんか?
あなたと同じように考えている人は実際多いはずです。
どのような理由で転職されているかを、
転職・求人サイトのDODAが行った調査結果を基にみていきます。
順位 | 転職理由 | 割合 |
1位 | ほかにやりたい仕事がある | 13.7% |
2位 | 会社の将来性が不安 | 13.5% |
3位 | 給与に不満がある | 11.3% |
4位 | 残業が多い/休日が少ない | 7.1% |
5位 | 専門知識・技術力を習得したい | 5.4% |
6位 | U・Iターンしたい | 4.1% |
7位 | 幅広い経験・知識を積みたい | 4.0% |
8位 | 会社の評価方法に不満がある | 3.7% |
9位 | 業界の先行きが不安 | 3.3% |
10位 | 市場価値を上げたい | 3.3% |
出典元 URL https://doda.jp/guide/reason/2018/004.html#a002
ここにランクインしていない理由も多数あります。
どの転職理由がふさわしくて、どの転職理由はふさわしくないといった基準はありません。
最初にも言いましたが、転職を考える理由は様々ですし、職業によっても変わってくるでしょう。
しかし、転職する理由が
プラスの要件であればその要件をクリアする転職先を見つければ問題ないのですが、
「上司が嫌すぎる」「残業が多い」などといったマイナスであればもう一度よく考えてみてください。
社内の環境や転職先の人材がどんな人なのか。
というところまで調べることはなかなか難しいことです。
1から人間関係を作っていくことに自信がない人は、
本当に転職するべきなのか、勢いだけなら一度踏みとどまってよく考えてください。
それでもどうしても転職と決意が固まれば、実行に移しましょう。
1-1年齢による転職成功率の変化
まず、年齢による転職成功率の変化を見ていきます。
転職サイトDODAの調査によると、
29歳以下の初めての転職者の転職成功率は約70%ありますが、
30歳を過ぎると初めての転職でも転職成功率は約40%になり、
さらに35歳以上になると35%以下にまで下がっています。
やはり、年齢を重ねるごとに転職成功率は減少していきます。
しかし、転職サイトDODAの調査によると、
転職者の平均年齢は右肩上がりで、2008年上半期は28.9歳だったのに対して、
2015年下半期では32.1歳と約6年間で3.2歳上昇しています。
また全体の35歳以上の割合も23.6%と約6年で二倍以上に増加しています。
35歳以上のいわゆるミドル層と呼ばれる世代の転職が活発化していることが見受けられます。

出典元URL:https://doda.jp/guide/age/
1-2.転職後の年収の変化
転職後の年収の変化は、もっとも気になるポイントの一つではないでしょうか?
転職後の年収についてお話しておきます。
Tech総研が2012年1月〜2013年3月に26〜39歳にアンケートをとったところ、
転職後に年収が増えた人は51%、
変わらなかった人は16%、減った人は33%という結果がでました。
2010年に行われた同様のアンケートでは、
転職後に年収が増えた人が75%という結果がでている。
それに比べると今回のアンケートにおける年収の低下は、やや多いと言えるでしょう。
転職後に年収が増えている人がいる一方、減っている人が三人に一人はいるということです。
これは近年、
給料以上にやりがいを求めて転職をしている人が増加しているということも関係していますが、
慎重に転職活動を行う方が良いでしょう。
<年収を上げる為に>
自分の経験やスキルを伝え企業に評価してもらうことが、
年収を上げるための必須ポイントですが、
面接時の交渉で上がったというケースも多数存在します。
ここでは年収を上げるための面接時の交渉術について紹介します。
・目標年収の設定
もらえるならもらえるだけ年収は欲しいものですが、そういった安易な考えは禁物です。
現状よりも、月収ベースで5~10万円、
年収ベースで100万円前後アップを基準に設定するのがベストです。
・前職での年収は高めに見せる
もし採用担当者から「前職での年収はいくらでしたか?」と聞かれたら、高めに見せましょう。
「どれぐらいの給与を払うのに値する人材なのか?」を基準に給料が決定されます。
年収の金額を偽ることはできませんが、
家賃補助や交通費を含めた金額を年収と申告することはOKです。
・最低ラインをはっきり伝える
最低限もらいたい金額ははっきりと伝えておくと良いでしょう。
その金額に達せずに採用されたとしても、今後の生活が苦しくなるでしょう。
・年収アップの根拠を明確にする

これが一番大事です。
ただ漠然と希望金額を伝えるだけでは効果はありません。
なぜ年収を上げる必要があるのか?という企業側の疑問に対して、
年収アップに値するほどの経験・実績・実力があるということをしっかりと伝え、アピールしましょう。
そして採用されれば具体的にどのような場面で、
企業に貢献できるかを説明できればさらに説得力は増します。
2.転職を成功させるには
では実際に30代の転職を成功させるポイントについて解説していきます。
企業が転職希望者に求めていることは年齢によって変わります。
一般的に20代の転職希望者に企業が求めることは、「熱意」「やる気」「人間性」ですが、
30代の転職希望者には「経験」「実績」「スキル」となってきます。
30代という年齢は、社会人としての経験をそれなりに積んできていると企業側は考えます。
前職での経験や実績、スキルなどを重要視し、
即戦力として期待できるかどうかを企業は判断します。
また、企業が求めている人物像を把握しておくと採用に大きく近づきます。
企業が求めている人物像がピッタリの転職希望者が現れれば、間違いなく採用するでしょう。
この人物像の把握とは、
例えば、企業が求人情報誌などで課長候補を探しているとしたら、
それに近い経験や自分の強みをアピールすると良いでしょう。
「業務のリーダーを任され部下のマネジメントを任されていた」などの経験があれば、
その経験が自分の強みとして、しっかりと企業にアピールしましょう。
一度前職での業務や経験などを振り返り、自分の強みを理解し、武器にしましょう。
2-1.30代という年齢を武器に
20代の転職希望者にはない、30代転職希望者特有の強みを武器にしましょう。
・実務経験、業務成績がある
30代という年齢であれば、前職でそれなりの社会人としての経験や業務実績があるでしょう。
即戦力として、すぐに活躍できることは、企業にとっても大きなメリットです。
・ビジネスマナーやタスクの管理方法など、ビジネスの基礎が身についている
ビジネスマナーはどの業種でも重要です。
20代よりも優位に立てるポイントでしょう。
・交渉力やプレゼン能力などが備わっている
例えば、異業種への転職であったとしても、こういった能力は十分に活かせることができます。
・人脈や知識の多さ
同業種への転職であれば、人脈や知識の多さは企業へのアピールポイントになります。
これらの武器となる強みを把握するには、
・今までどんな仕事をしてきたか
・仕事ではどんな成果を上げてきたのか
・結果を出すために工夫したことはどんなことか
・経験によって得られたことはどんなことか
・仕事でうれしかった体験は何なのか
・夢中になって取り組んだ仕事はどんな仕事か
・仕事を行う上で役立っている長所はなにか
・仕事上のポリシーや大切にしているポイントは?
・周りから仕事面でどういう評価をされているか
・今までで大変だった仕事はどんな仕事か
・持っている資格はどんなものがあるか
・資格は業務にどう直結してきたか
などの内容をメモに書きだしていくだけでOKです。
書きだす際のポイントとしては、
どんな経験を積んできたのか、これまでの経歴を一つひとつ細かく確認していくことです。
仕事を通じてどのように成長し、会社に対してどんな貢献ができたかを整理していきましょう。
把握した強みを基に転職先を探し、応募書類を作成し、そして面接で披露する。
全てに通じる内容です。時間がかかったとしても必ずやりきってください。
2-2.応募書類で差をつける
応募書類については当然、最初から完成度の高い内容に仕上げておかなければなりません。
年齢が高くなると応募書類を提出し、
書類選考で落とされる可能性が高くなってしまいます。
そのため、採用担当者に目を通してもらい、
興味を持ってもらえるような応募書類を作成する必要があります。
応募書類については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
<転職で有利になる!履歴書・職務経歴書の書き方のポイント>
URL:https://labo.i-youth.co.jp/job/235.html

3.転職活動の手段
あなたは今どのような手段で転職活動の情報収集などを行っていますか?
ひとつの手段だけでなく、いろいろな手段を知り、活用することで、転職活動の幅は広がります。
ここではいくつか転職活動の手段について紹介します。
・ハローワーク
就職先を探している人に仕事を斡旋する公的機関で、今現在仕事がある人でも利用できます。
ハローワークのメリットとして、求人数が圧倒的に多く、30代、40代の求人情報も多いところです。
一方デメリットとして、年収アップは難しいところです。
年収が低くなってもやりたい職種があるという人におススメです。
・転職求人サイト
現在、大手の転職支援会社が運営する総合求人サイトから、
業界特化型、職種特化型の求人サイトまで様々の転職求人サイトが存在します。
転職求人サイトのメリットとして、
無料で利用でき、応募企業の採用担当者と直接やり取りをすることができます。
また、自分の希望の条件で様々な企業を検索することができるところです。
一方デメリットとして、
面接の日程調整など、全て自分で行う必要があるため手間がかかるところです。
離職中で時間に余裕がある人や、転職先の職種をまだ決めていない人におススメです。
・転職エージェント
転職エージェントは、プロの転職コンサルタントが担当につき、
転職の相談からキャリアアドバイス、求人紹介、面接日程の調整、
応募書類のアドバイス、面接評価のフィードバックから年収交渉まで、
転職者の代わりに様々なことをやってくれます。
転職エージェントのメリットとして、
転職者の代わりに手間がかかるようなことを無料でやってくれます。
なにか不安に感じることがあれば親身に相談にも乗ってくれます。
一方デメリットとして、
キャリアアドバイザーを介したサービスのため、人によるサービスの落差があるところです。
初めての転職で不安な人や、ワンランク上の転職をしたい人におススメです。
3-1採用までの期間について
求人情報のポータルサイト[en]エン・ジャパンが、
30代転職者が実際にかかった期間について調査によると、
一か月半程度 | 22% |
三か月程度 | 36% |
半年程度 | 21% |
一年程度 | 14% |
二年程度 | 8% |
約8割の人は半年以内ですが、一年以上かかった人が約2割もいています。
長期戦になることも視野に入れておきましょう。
それではなぜ長期戦になってしまうのか?
それは採用されなかった理由がわからないからです。
不採用になってしまう理由はそれぞれあると思います。
面接で落ちてしまう人は、協力者を見つけ何回も練習に付き合ってもらいましょう。
志望動機はしっかりしているか?
考えうる質問への答えの対策がとれているか?
目を見て受け答えができているか?
スーツにしわが入っていたり、靴がすり減ったりしていないか?
不採用になってしまった応募書類や、
面接での行動を繰り返していても採用されることはまずないでしょう。
不採用になってしまうには必ず原因があります。
自分一人では気づかなかったことも、協力者を付けることで気づいてもらえることも多くあります。

4.異業種への転職について
最後に異業種への転職についてお伝えしていきます。
転職を考えている方の中には、
違う業種への転職を考えている方も大勢いるのではないでしょうか。
業界の先行きが不安、新しいことにチャレンジしたい、
スキルアップしたい、など異業種を目指す理由は様々あるはずです。
ここでは、異業種への転職の現状について詳しく解説していきます。
平均年齢の増加と伴い、ほぼ全ての業種で求人数が増加しています。
また、転職成功者の年齢が上がり、異業種・異業界への転職成功も増加しています。
そこで、en ミドルの転職が行った、
「ミドルの異業種への転職」の調査を基に、
異業種への転職はどのような業種・職種が多いのかをみていきます。
出典元 URL https://mid-tenshoku.com/enquete_consultant/report_22/
<異業種からの転職が多い業種>

これらの転職が多い理由として挙げられているのが以下6つです。
・異なる業種でも業務内容の変わらない職種・ポジションでの採用が多い
・新事業に伴い、他業種の技術・スキルを獲得・活用
・イノベーションを生み出せる人材を必要としている
・同業種内での人材獲得競争が激化している
・グローバル展開を加速している
・異業種の人脈を活用する
<異業種転職に強い職種>

上位のものは人員の募集が多いことも考えられます。
異業種への転職を考えられる方は、
上位にきている業種・職種を選択することも1つの方法かもしれないですね。
<異業種からの転職で期待されること>
①慣習にとらわれない思考
移籍社員には無い発想力や知見、
業務レベルアップにつながる様々な視点を期待されます。
業界の慣習を崩していくぐらいのパワーがあり、新しい風を吹かせる能力を重要視されます。
②経験業種での専門知識・専門スキル
例えばIT企業であれば、実際の顧客企業の業界/業務知識に乏しいため、
流通業や製造業の方を採用して専門知識の強化を期待します。
③新しい環境でも主体的に動ける行動力
マネジメントでも自身で動いて設計・開発等を行う求人が増えていることから、
セルフスターター型の人材を求められます。要するに、
指示待ちや、受け身の人でなく、自分から課題を見つけ取り組める人です。
④異なる視点からのアイディア創出力
柔軟なアイディアや全業界におけるスキル、実績の転用。
新しい観点からの新規事業開発など業界に囚われない知見や感性に期待されます。
⑤新しい知識やスキルを獲得しようとする姿勢
能動性は期待しつつも、企業文化に慣れ、
新企業内での知識、経験を貪欲に獲得していこうとする姿勢が問わます。
⑥新しい業務・商習慣などへの適応力
仕事への興味志向や仕事を通じて大切にしたい価値観の明確化、
そして、異業種でも一生懸命に働く覚悟を持っていることを期待しています。
⑦自分の業務だけに囚われない
例えば、営業の場合自分の営業成績のみを追い求めるのではなく、
所属している部門の成績を上げるにはどうすればいいのか業務改善案を思考するなど、
チームプレイを意識して業務に臨む姿勢が求められます。
業種・職種によっては重要視されることや期待されることは異なってきますが、
上の7つに適した力を身につけていれば異業種への転職の成功率は高まるでしょう。
また、一般的に異業種転職での年収アップは厳しい現状にあります。
下のグラフは、大手の転職サイトリクナビNEXTが
転職で同業種・異業種別に給与アップしているのかを調査した結果です。
転職先が同業種である場合の給与と比較すると大きく差があることがわかります。
転職の目的が給与アップなら同業種への転職をおすすめします。
それでも、『異業種で年収アップ』を目指している方は、
転職活動の期間が延びてしまうことは覚悟しておきましょう。

出典元 URL :https://next.rikunabi.com/01/up_down/up_down_01.html
5.まとめ
転職後に求めていることはなんですか?
給料や待遇面の向上、仕事へのやりがいなど人それぞれあると思います。
長期戦になると経済的にも精神的にも苦しくなる場面もあるかもしれません。
そんな時は無理をせずに気分転換することも大事です。
そして絶対に転職を成功させるという強い気持ちを持ち、
最後まで諦めることなく採用を勝ち取ってください。