
入学や就職、転勤など人生の節目に行う部屋探しには知っておくべき注意点が存在します。
間取りや駅から近いなど立地だけで部屋探しを行うと後々後悔する可能性が非常に高いです。
そこで、ここでは後悔しないために部屋探しの方法や注意点をまとめてお伝えしていきます。

1.部屋探しの方法
まず、部屋探しの方法についてみていきます。
部屋探しは家賃を基準に考え、
優先順位を設定すればスムーズに候補をピックアップすることができます。
順にご説明していきます。
1-1家賃を基準にする
まず、基本となる部屋探しの基準ですが家賃を基準に考えるのが1番。
理想とされる家賃は給与の手取り額の3分の1以下とされています。
つまり、手取り額が15万円の方は家賃が5万円以下の部屋で探しましょう。
当然ですが、この5万円の中には共益費や管理費、駐車場料金も含まれています。
なぜ、3分の1以下が理想とされているかと言うと、
家賃は毎月必ず支払う大きな固定費であり高くなると生活費を圧迫してしまいます。
生活面で苦しまないためにも家賃の基準には注意してください。
家賃を基準に部屋探しを行うことで数あるお部屋の中からある程度省くことができ、
部屋探しが行いやすくなるというメリットがあります。
1-2優先順位を設定する
家賃の基準を決めたら次は自分の中で部屋探しにおける優先順位を設定しましょう。
例えば、
・駅から徒歩何分の範囲までOKなのか
・部屋の間取りはどれぐらいの広さがいいのか
・南向きやペット可がいいなどこだわりの条件
・部屋の周りの立地条件(コンビニがあるなど)
・駐車場付物件
・敷金、礼金はどのぐらいまで出せるのか(家賃の何カ月分か)
などです。
部屋探しする際に、
全ての条件にマッチするお部屋に出会える可能性はほぼありません・・・
家賃が手ごろで条件の全てにマッチするような部屋は、
少し疑うぐらいが丁度いいかもしれません。
実際、そういった部屋を選ばれた方で、
「近隣の住民にややこしい人がいた」
など住んでから何かしらの問題点が出てきたケースをいくつか聞いたことがあります。
そのため、最低これだけははずせない!
という決め方で順番に優先順位をつけていくようにしましょう。
この作業をするだけで部屋探しがずっと楽にできるようになります。
だいたい、条件に合うお部屋を5件ほどピックアップできれば十分かと思います。
次では部屋探しの際の注意点をみていきたいと思います。

2.部屋探しにおける注意点
次に1番核となる部屋探しにおける注意点についてみていきます。
不動産会社を選ぶ際の注意点や実際に部屋を見に行く際の注意点などいくつかポイントがありますので順にご説明していきます。
2-1不動産会社における注意点
ある程度目安となる部屋を決めると次は実際に物件を紹介してくれる不動産会社。
ここにいくつか注意点があります。
基本的に不動産会社は2~3社訪問するようにしましょう。
1つの不動産会社だけで決めてしまうと失敗する可能性が高くなってしまいます。
その理由をお伝えしていきます。
まず、2~3社訪問する理由ですが、
不動産会社を選定するというよりは担当の営業マンを見極めるための訪問です。
不動産会社におけるトラブルの件数は非常に多く、
平成26年にはトラブルに起因して免許の取り消しが141件、
業務停止の処分が74件も行われています。
会社のやり方によって仕方なくというケースが多いとは思いますが、
担当の営業マンが強引でお客の立場に立てていない場合だとトラブルに発展する確率が高くなってしまうかと思います。
簡単な見極め方はなかなか難しいのですが、ある程度具体的にお伝えしていきます。
まず、良いパターンとしは、
・入店した際に丁寧にあいさつしてくれる。
・接客態度が誠実であり、しっかりと話しを聞いてくれる。
・物件のデメリットについても説明してくれる。
・物件周辺の情報に詳しい。(騒音がうるさいなど)
・細かな希望をしっかりと聞いてくれる。
・希望に類似した物件をいくつか紹介してくれる。
以上のようなものがあげられます。
当然のことだと思われる方が多いとは思いますが、
残念ながら基本的なことができていない営業マンが多いのが悲しい現実です。
これらの内容に該当する営業マンに出会えたらその不動産会社に決めてしまっていいかと思います。
逆に違う場合は別の不動産会社に行くのが賢明かと思います。
また、
・早い段階から予算をあげてくる。
・すぐ物件を見に行こうとしてくる。
場合は丁寧に探す気がなくノルマのために早めに部屋を決めさそうとしている可能性が高いです。
部屋を決める上で重要な情報を飛ばされているケースが多く、
その時はいいと思っても後々後悔してしまう確率が高くなります。
そのため、このような接客を受けた場合は別の不動産会社に行かれた方がリスクを抑えることができるかと思います。
2-2部屋を見に行く時の注意点
ここでは、実際に部屋を見に行った時の注意点をご紹介していきます。
チェックする項目としては、
・部屋の間取り
・部屋の設備
・日当たり
・駐車場や駐輪場の有無
・クローゼットなどの収納スペース
・周辺の施設、環境
簡単に言うと以上のようなものが挙げられます。
少し掘り下げてみていきます。
設備と構造について
・壁の厚さの確認
壁が薄い場合、ひどい場合だと隣人の目覚ましで起こされたりすることなども・・・
壁が薄いことにより様々なストレスが生じてしまうでしょう。
当然ですが木造よりも鉄筋の方が音漏れしにくくなります。
しかし、壁の厚さを確認するのは結構難しいです。
例え、図面を見せてもらったとしても専門家でない限り判断するのは難しいようです。
あくまで目安ですが、
隣の部屋との間の壁の厚さが180mmであれば防音性にすぐれているようです。
(壁の中の素材に何を使っているかにもよりますが、、、)
隣の部屋が空き部屋であれば、隣の部屋で音を鳴らし確認するのがベストです。
・日当たりの確認
意外と大切なのが日当たりの確認。
当然、南向きの建物がベストですが周辺の環境によっては、
日が当たりにくいこともしばしばあります。
どれくらい日が当たるのかをチェックするために、
出来れば晴れた日の14時~15時ぐらいの時間帯に内覧に行きましょう。
・ゴミ置き場の確認
専用のゴミ置き場がない場合、
ベランダなどにゴミを放置する住民がいる場合においがきつくなるケースがあります。
・携帯の電波を確認
場所によっては同じ携帯でも電波が悪くなってしまう場合があります。
部屋のいろいろな場所で電波を確認するようにしましょう。
・ネットの設備の確認
マンションによってはネットの設備が導入されていない場合もあり、
その場合は自分でネット環境を整えなくてはならなくなり費用が高くなってしまいます。
どのネット回線が導入されているかは不動産会社の担当者に確認しましょう。
・ベランダの確認。
見落としがちですが、
ベランダの広さや日当たりを確認するだけでなくもう少し細かくみるようにしましょう。
例えば、街灯がすぐ近くにあると夏であれば虫が多く集まりやすくなります。
また、鳩が集まりやすく場合は糞がおとされやすいため、
糞の形跡がないかなど含めて見ておくといいかと思います。
周辺の施設、環境について
・目の前の道路の確認
大通り沿いだと、騒音がうるさくまた、
排気ガスによって洗濯物が汚れやすくなってしまいます。
・周辺施設の確認
周辺に学校や公園がある場合、
声が響きやすいため騒音が苦手な方は避けるようにしましょう。
・工場の有無
近くに工場がある場合、
塗料など独特のにおいがしやすく健康面から考えるとあまりよくはありません。
また、大通り沿いのケースと同様に洗濯物が汚れやすくなってしまいます。
・周辺環境の確認
居酒屋など夜遅くまで営業しているお店が近くにあると治安が悪くなる傾向にあります。
上記の内容はあくまで一例です。
部屋を見に行った際には営業マンと周辺の環境についても細かく話をするようにしましょう。

3.どの時期がベストなのか
ここでは部屋を探す時期について考えていきたいと思います。
入学や就職、転勤などの場合は時期が選べないかと思いますが、
ある程度時期を選べる方はやはりシーズンの2月、3月は避けるようにしましょう。
どこの不動産会社も忙しく、お客に割ける時間が限られており、
細かく対応してくれない確率が高くなってしまいます。
また、シーズンの時期には敷金や礼金といった、
初期費用が高く設定されているケースが多く無駄な出費がかさんでしまいがちです。
ベストな時期としては、
シーズンの時期が終わり少し落ち着いてきた5月、もしくは8月あたりがベストなようです。
不動産会社の知り合いに聞いたところ5月は暇で空いており物件数が多少、
少なくなっているものの掘り出し物が多い時期だそうです。
8月は家賃の交渉がしやすく運がいいと1万円程度下げれることもあるみたいです。
シーズンの時期以外であれば、
融通が利きやすいみたいなので時期については注意してみてください。
また、引っ越し料金も当然時期によって大きく変わってきます。
下記に一人暮らしの場合の引っ越し料金の相場を載せますので参考にしてみてください。
距離 | シーズン(2月~4月)の引っ越し料金相場 | 通常時期(5月~1月)の引っ越し料金相場 | 差額 |
15㎞未満(同市区町村程度) | 約52,000円 | 約45,000円 | 約7,000円 |
50㎞未満(同都道府県程度) | 約58,000円 | 約45,000円 | 約13,000円 |
200㎞未満(同一地方程度) | 約71,000円 | 約60,000円 | 約11,000円 |
500㎞未満(近隣地方程度) | 約91,000円 | 約77,000円 | 約14,000円 |
500㎞以上(遠距離地方程度) | 約111,000円 | 約96,000円 | 約15,000円 |
見ていただくと分かるかと思いますが約1万円程度開きがあります。
時期を選べる方は極力初期費用を抑えるためにもシーズンの時期は外すようにしましょう。
4.まとめ
部屋探しをする際の注意点についてある程度把握していただけたでしょうか。
部屋の基準を決めた上で不動産会社を2~3社訪問し、
部屋を見に行く際に周辺の環境なども含めて細かく注意していれば自分にとってベストな部屋に出会える確率はぐっと高くなります。
是非、これらの内容を参考にして部屋探しをしてみてください。