
転職を考えている40代女性の方の多くは、
「会社で人間関係が上手くいっていない」
「職場の雰囲気が合わない」
「家庭の事情がある」
「現在の仕事が体力的にきつくなってきた」
など転職したい、転職しなければならない理由があるものの・・・
年齢が大きな理由となり、転職に対して不安を感じ、一歩踏み出せていない方も多いのではないでしょうか?
実際に40代女性の転職は厳しい現状が報告されています。
そのため、生半可な気持ちで転職活動を始まるのはとても危険です。
しかし、何も行動を起こさず、我慢することは大きなストレスになってしまいます。
今回は、以前、人材業界に関わった経験を基に、40代女性の転職と転職を考えた時に取るべき行動を中心にご紹介いたします。
1.40代女性の転職が難しい理由

40代女性の転職が難しい理由のひとつに、年齢が大きく関係していると考えられます。
総務省統計局が発表した『労働力調査(詳細集計)令和3年(2021年)平均(速 報)』 の年齢階級別非正規の職員・従業員の女性の内訳において、35~45歳(220.%)、45歳~55歳(25.5%)と約半数が40代以上を占めています。
この結果からも40代女性の転職が20代・30代女性と比べても、難易度が高くなることがわかります。
また、年齢が高くなるにつれて、求人数が少なくなるだけでなく、年齢相応の経験やスキルも求められます。
<採用するミドル層(35歳以上)に求めるものは?>

出典元:en エン人事のミカタ
このデータからもわかるように、「仕事をしてきた年数=経験」とは言えず、40代ともなれば専門性やマネジメント能力、課題解決力、転職先にはない能力・経験など高いスキルが求められます。
20代であれば、ポテンシャルを期待され、採用されることもありますが、40代の場合はそうした希望を期待できません。
今までの私の経験から、40代だと事務職から事務職といった同じ職種の場合でも苦戦することが多いといえます。
「40代の女性は、転職が難しい」というデータも出ています。
<転職成功者の年齢割合(2016年上半期)>

出典元:DODA「転職成功者の年齢調査」
40歳以上の割合が意外と多いと感じるかも知れませんが、単純に年代別で考えれば、
20代:44.7%
30代:40.3%
40代:15.1%
と40代に入ると転職成功率が大幅に低下しています。
「専門的な業務の経験がある」、「管理職などのマネジメント経験がある」など、転職市場において、企業から求められる能力やスキルがある方は40代でも転職しやすいですが、現状では少数派といえます。
転職で悩んでいる40代女性の多くは、「転職市場における能力やスキルに自信を持てない」という方がほとんどではないでしょうか?
一方で、数値では計り知れない優れた能力やスキルに自分自身が気付いていないケースも珍しくありません。
自分の知識・経験をひとつひとつ棚卸しを行い、面接を通して、志望動機とともに「自分は企業にどんな貢献ができるかを」きちんと伝えることが大切です。
2.40代女性の転職に資格は重視されない

資格そのものに価値が無いわけではありません。
一方で、転職を目的とした新たな資格の取得は、時間・労力・お金がかかるだけでなく、自分が希望する転職に直結しにくいケースも多々みられます。
「資格を取得すれば転職できます!」
「転職の成功率が上がります!」
「資格を取れば書類審査に通ります!」
と謳っているサイトや広告を真に受けるのではなく、自分が目指したい将来像に必要かどうかを見極めなければいけません。
資格の有無は書類審査では有利になることも確かですが、面接では「人間力」や「今までの実績」、「志望動機」、「自分が将来実現したいこと」などが評価対象となります。
そのため、資格は基本的な経験やスキルを裏付けるためのものと認識しておきましょう。
しかし、職種によっては資格の有無が役立つ場合があります。例えば、事務業務に従事してきた人が「PCの資格を取得する」、「日商の資格を取得する」などは効果的です。
一方で、事務業務の経験がない人が、事務職への転職を希望し、関連性の高い資格を取得しても効果的でない可能性があります。
そのため、明確な目的がない限り、今までの自分の経験やスキルと直接関係がない資格の取得は避けるべきといえます。
難易度の高い資格の取得は、その人の仕事に対する姿勢をアピールに役立ちますが、それよりも「なぜ取得したのか?」という明確な理由と転職理由との整合性がきちんと取れていることが大切です。
2-1.経験が無くても転職に有利になる資格
転職に向けた新たな資格の取得は、明確な理由が必要です。
しかし、現在の日本は深刻な人手不足に陥っており、業界によっては経験がなくても転職に有利になる資格が存在します。
今回は正社員登用も期待できる、転職に有利な資格をいくつかご紹介いたします。
【介護職員初任者研修】
介護業界は慢性的な人手不足であり、受け入れ口が非常に広い業界です。
正社員希望も叶いやすい業界でもあり、資格取得にかかる期間も約130時間程度、資格取得のためのスクール費用も6万円~10万円程度と取得しやすい資格でもあります。
近年では、介護職員の労働環境・待遇も改善されており、実務経験を重ねていくことで上位の介護福祉士、ケアマネージャーへとステップアップすることも可能です。
【保育士】
女性の社会進出が一般的となっていると同時に、子供を託児所や保育園に預ける方も増えています。また、保育業界では保育士不足が叫ばれており、需要も高い職種となっています。
子育て経験が豊富である可能性が高い40代女性との相性も良く、人間味や対応力などケアマネジメント力を活かせる資格でもあります。
【医療事務】
少子高齢化社会に突入している日本社会において、医療は今後需要が高まる業界のひとつです。
一方で、書類処理が多い業界としても知られており、医療事務は雇用数が多いことでも知られています。
通常の事務からスキルアップの一環として、資格取得することもオススメです。
【ファイナンシャルプランナー】
『人生100年時代』といわれ、将来の不確実性が増している現代において、税金やローン、資産運用など家計に関わるお金のプロフェッショナルとして注目されている資格です。
保険会社や証券会社をはじめ、金融業界で人気の高い資格です。将来的には独立も視野に入れて、活動できる資格でもあります。
3.40代女性が転職を考えた時に取るべき行動

40代の女性に限らず、自分の希望とマッチした転職を望む場合、オススメしたいのが転職エージェントの利用です。
転職エージェントとは、転職サポートのプロであり、転職で必要となる以下のような活動を支援してくれます。
- キャリア相談
- 求人紹介
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 面接対策
- 面接のセッティング
- 給与交渉
転職活動では、専門的な知識や作業が多いため、1人で転職活動を行うよりも転職エージェントを利用した方が転職の成功確率は上がります。
最初に転職エージェントを利用することで、自分の転職市場における市場価値も把握するができます。
転職エージェントの力を借りれない場合、「中小企業を中心に転職活動を行う」、「契約社員や派遣社員などの雇用形態も視野に入れる」などの工夫が必要です。
また、同業界・同業種でステップアップを目指すことも正社員など待遇の良い転職が成功する方法として知られています。
さらに以下でご紹介しているように、これまでの職務経験を活かせる異業界・異業種を見つけ出すことも転職活動では有効です。
- 教育業界から人事担当への転職
- 営業職/営業事務からカスタマーサポートへの転職
- 総務管理職から人事の採用担当
業界・業種が異なる場合でも同様の業務や今までの職務経験を活かしやすい間接部門への転職を成功させている方も少なくありません。
オススメの転職エージェントについては、下記の記事でご紹介していますので是非一度利用してみてください。
<女性のために本気で厳選!評判の良い転職エージェント4選!>
4.40代女性が転職活動を成功するためには

転職エージェントの利用や自力での転職活動に関わらず、少しでも転職を成功させる確率を上げるには、以下のような取り組みが重要です。
今回は40代の女性が転職活動を成功させるために必要なポイントをご紹介していきます。
4-1.まずは自分の強みを把握する
自分の強みを把握することはどの年代の転職希望者にとっても大切です。
「40代の転職成功者の約7割が強みを理解して、転職活動を行った」と言われています。
自分の強みを把握するのはそれほど難しいことではありませんので、以下の項目に従って、自分の強みを書き出してみましょう。
- 今までどんな仕事をしてきたか
- 仕事ではどんな成果を上げてきたのか
- 結果を出すために工夫したことはどんなことか
- 経験によって得られたことはどんなことか
- 仕事でうれしかった体験は何なのか
- 夢中になって取り組んだ仕事はどんな仕事か
- 仕事を行う上で役立っている長所はなにか
- 仕事上のポリシーや大切にしているポイントは?
- 周りから仕事面でどういう評価をされているか
- 今までで大変だった仕事はどんな仕事か
- 持っている資格はどんなものがあるか
- 資格は業務にどう直結してきたか
書きだす際のポイントは「どんな経験を積んできたのか」をひとつひとつ細かく確認していくことです。
「仕事を通じてどのように成長し、会社に対してどんな貢献ができたか」を整理していきましょう。
把握した強みを基に希望する転職先を探し、応募書類の作成や面接時のアピールポイントに役立てましょう。
4-2.応募書類の完成度を高める
応募書類は、転職活動初期から完成度の高い内容に仕上げておかなければなりません。
年齢が高くなるにつれて、求められる経験やスキル(管理能力や即戦力性など)のレベルも上がり、書類選考で落とされる可能性が高くなってしまいます。
そのため、採用担当者に興味を持ってもらえる応募書類を作成しなければいけません。
そこで応募書類を作成する際は、「40代に求められている経験やスキルは何か?」、「40代が求められる業界や業種は何か?」、さらには正規社員・非正規社員のメリット・デメリットを考慮し、「自分が望む転職はどんなものか」を明確にした上で書類作成に取り組みましょう。
書類選考を突破し、面接まで進むことができれば、チャンスは広がります!
応募書類については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
4-3.面接力を上げる
応募書類が通過しても面接で落とされてしまえば、今までの努力が水の泡になってしまいます。
そのため、面接では面接官からの受け答えにきちんと応えるだけでなく、身だしなみや振る舞いに気を配り、面接スタートの段階から好印象をもたれるようにしましょう。
面接では、第一印象が8割とも言われています。
面接時の服装については下記の記事をぜひ参考にしてみてください。
<【男女別】面接で好印象な服装まとめ!私服面接のケースまで解説!>
服装や振る舞いなどの最低限のマナーを守った上で、「面接に合格するためのポイント」を押さえ、事前に面接力を上げておかなければいけません。
以下の記事では、他の応募者と差をつけ、転職を成功に導く面接攻略ガイドをご紹介していいます。併せて参考にしてみてください。
<「響く自己PR」で差を付ける!面接攻略ガイド>
<質問はありますか?が合否を左右!?面接を合格に導くための逆質問!>
転職エージェントを利用すれば、これらの面接時に注意したいポイントも丁寧に指導・アドバイスをしていただけます。
5.転職活動に役立つ、オススメの転職サイト

転職エージェントを利用しない転職活動では、転職サイトの利用がオススメです。
現在の求人応募の8割がインターネット上に存在している言われており、仕事の合間やプライベートなど隙間時間に転職先を探せます。
今回は40代女性にオススメの転職サイトをピックアップさせていただきました!
5-1.【とらばーゆ】

女性専用の転職サイトです。「子育て等の理由でブランクがあるけどまた働きたい」といったお悩みや目的別に求人を紹介しています。
営業・事務・医療・販売・サービス・美容師などの職種に特化しており、求人だけでなく、転職ノウハウなどのお役立ち情報も満載でgood!
リンク先:とらばーゆ
5-2.【女の転職@type】

女性を積極的に採用している企業の正社員・契約社員の求人を掲載している女性専用の転職サイトです。
「35歳以上も活躍の求人」という検索キーワードが搭載されており、年齢層に関係なく、幅広い求人を扱っているため、40代女性には特にオススメ!
職務経歴書や自己PRなどの見本も数多く掲載されており、転職活動時の良い参考になります。
リンク先:女の転職@type
5-3.【FROM40】

なんと!40代、50代向けの求人しか取り扱っていない特徴的な転職サイトです!
しかし、求人件数自体は充実しているものの、正社員の求人は若干少なめとなっています。
アルバイトや派遣などがメインの求人となりますが、とにかく働き口を見つけたい方にはオススメです。
正社員雇用が叶わなかった場合の最終手段と考えておくのがいいかもしれません。
リンク先:FROM40
6.まとめ
一筋縄ではいかない40代女性の転職。ただ理想を追い求めるのではなく、自分の強みや弱みとしっかりと向き合い、地に足をつけた転職活動を行っていくことが大切です。
まずは転職エージェントを利用し、転職市場における自分の価値を見い出すことから始めてみましょう。
転職エージェントを利用しない転職活動の場合、さまざまな負担がかかることもありますが、
根気強く頑張ることが大切です。頑張ってくださいね!