
最終出勤日が近づき、退職の挨拶メールの文面に悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
メールは文章として残るものなので、
特に言葉遣いや内容には気を付けなければいけません。
その中に、感謝の気持ちを伝える文章を盛り込むことでより良い印象を得ることができます。
そこで、退職の挨拶メールのマナーやポイントをお伝えし、文例をパターン別にご紹介していきます。
また、退職の挨拶として求められることが多い、スピーチの文例もあわせてご紹介していきます。
1退職の挨拶メール<マナー・ポイント>
メールの文例をご紹介する前に、
メールを送る日や、タイミング、ポイントについてお伝えしていきます。
退職の挨拶メールは、お世話になった方々に、
感謝の気持ちや、お礼を伝えるためのものです。
会社関係の方に送るメールなのでビジネスマナーはしっかり守りましょう。
<メールを送信するのは最終出勤日!>
・社内
会社によって決まりがあるところもありますが、基本的には最終出勤日です。
退職日までの最後の1週間や2週間有給を使われる方は、有給を取る前の出勤日になります。
最終出勤日はあなたが会社に行く最後の日で、退職日は雇用契約が終了する日です。
※退職日と最終出勤日はメールの文面でも間違えないようにしなければいけません。
退職日に出勤するのであれば、「本日をもって退職」と書いていいのですが、
そうでない場合は、「○月○日をもって退職」と書くようにしましょう。
・社外
お世話になった取引先や企業宛のメールは退職日の2週間~3週間前には送るようにしましょう。
メールを送る前後には、あなたの後任者の紹介も含め2人で直接挨拶をしに行くのが理想です。
<送るタイミングは終業1時間前に!>
最終出勤日の終業1時間前を目処に挨拶メールを送信しましょう。
午前9時~11時、午後1時~4時くらいまでは重要メールのやりとりが頻繁に行われる時間帯です。
この時間帯は避けて送信するようにしましょう。
終業時間ギリギリに送信するのもよくありません。送信するタイミングには気をつけてください。
<メールを送る相手は?>
・同じ部署の方
・社内他部署の方(関わりがあった人)
・取引先などの社外の方
など、これまでお世話になった方々です。
たくさんの方と関わってきた人は、相当な人数になると思います。
1人1人に送るのは結構な時間と労力がかかるでしょう。
一斉送信するのは失礼にあたるのではないかと思われる方もいるかと思いますが、
一斉に送ってしまってもかまいません。
ですが、仕事上でお世話になった人や、
関わりの強い人に対しては個別に送った方がいいです。
(直属の上司や、仲の良かった同僚など)
一斉送信する際に気を付けてほしいのが、
・To.に自分のメールアドレスを入れる
・Bcc.に送信先のアドレスを全て入れる
これは必ず気をつけて送信してください。
ちなみに、個別で送る場合はTo.に宛先のメールアドレスを入れ、
Cc. やBcc.は使用しないというのがマナーです。
次の項目で、メールの文例をご紹介します。
1-1. 絶対に外さないメール文例!
<退職の挨拶・メール>
ポイント!・件名は「退職のご挨拶」とし、件名だけで用件が分かるようにする・退職理由は「一身上の都合」で良い。ただし、結婚・出産などおめでたい理由の場合はそのままかいて良い・どんなに親しい人でも、会社の愚痴や苦言などは入れない・今後の連絡先を入れておくのもマナーの1つ |
【社内向け(一斉送信)】
件名 退職のご挨拶 ○○(名前)本文○○部の皆様 お疲れ様です。○○です。この度、一身上の都合により○月末で退社することになり、 本日が最終出勤日となりました。本来ならば直接ご挨拶したかったのですが、 お会いできない方も多数おられるのでメールでのご挨拶にて失礼いたします。これまで何かと至らぬ点もあったかと思いますが、 お世話になり本当にありがとうございました。また、業務を通して多くの方々と関わり、たくさんのことを学ばせて頂きました。今後私の業務は○○さんに引き継いでいただくことになりましたので、よろしくお願い致します。最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。 今まで、本当にありがとうございました。今後の連絡先は下記になりますので、 何かありましたらこちらへご連絡いただけると幸いです。メールアドレス:~~@.com 携帯番号:090-××××-×××× |
【上司やお世話になった人向け(個別)】
件名 退職のご挨拶 ○○(名前)本文××部 △△様お疲れ様です。◇◇部の○○です。先ほどは貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございました。ご挨拶にお伺いさせていただいたとおり、本日が最後の出社日となります。△△部長には入社当初から●年間丁寧なご指導、 ご鞭撻をして頂き、多くのことを学ばせて頂いたこと大変感謝しております。今までの貴重な経験を今後の人生に活かして、励んで参りたいと思っています。最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。 今まで、本当にありがとうございました。今後の連絡先は下記になりますので、何かありましたらこちらへご連絡いただけると幸いです。メールアドレス:~~@.com 携帯番号:090-××××-×××× |
ポイント!個別に送るメールには、愚痴や苦言にならないような内容であれば、仕事でのエピソーや思い出話を入れても良いでしょう |
【社外向け】
件名 退職のご挨拶本文株式会社△△ ◇◇ ◇◇様お世話になっております。 株式会社●● ◎◎部の○○です。この度、一身上の都合により ×月×日をもちまして退職することになりました。本来であれば、伺ってご挨拶すべきところですが、 急なご連絡となり大変失礼いたしました。今まで◇◇様には大変お世話になり、 誠にありがとうございました。後任は、同じ部署の▲▲が務めさせていただきます。 後日改めて、▲▲とご挨拶に伺いますので、 変わらぬご指導の程よろしくお願い申し上げます。末筆ながら、貴社のご発展と◇◇様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。 |
※後任者紹介の挨拶に一緒に行けない場合はその旨を伝えてください。
ポイント!・いつ退職するのか・お世話になったことのお礼・後任者の紹介 |
これらの文例を是非参考にして考えてみてください。
そのまま使うのではなく、あなた独自の文章で感謝の気持ちを伝えるメールにしてください。
退職の挨拶を行うのはメールだけではありません。
会社によってはスピーチの場を設けてくれます。
お世話になったことへの感謝の気持ちを伝える場です。
ぶっつけ本番というのはなかなか難しいことなので、事前にしっかりと考えておく必要があります。
次の項目ではスピーチのポイントや文例をご紹介します。

2. 退職の挨拶スピーチ<パターン別の文例>
最終出勤日当日、退職の挨拶としてスピーチを求められることがあります。
スピーチをするタイミングは、会社によって異なりますが、
終業時間の前や夕方ごろに行うことが多いようです。
今までに退職した人が、どのようにしていたかを思い出すと分かりやすいでしょう。
上司の方や、長く勤めている人に聞いてみるのも1つです。
話すときは、ゆっくりと聞き取りやすい声の大きさではっきりと話し、
一人一人に視線を送るように意識してください。
そうすることで、あなたの話をしっかりと聞いてくれるでしょう。
エピソードを盛り込むのはいいのですが、
思い出話をする場ではないので長々と話さないように注意してください。
<退職の挨拶・スピーチ>
・在職期間が1年未満の方
・在職期間が1年以上の方
・結婚・出産で退職される方
この3つのパターン別で文例をご紹介していきます。
ポイント!・あいさつの場を設けてくれ、集まってくれた方へのお礼・退職の報告・これまでの感謝の気持ち・職場の今後への応援の気持ち※スピーチの時間は短すぎても、長すぎてもよくありません。だいたい60秒くらいを目安にしましょう。 |
【1年未満の人】
「本日はお忙しい中、このような場を設けていただき、ありがとうございます。私事ではありますが、この度一身上の都合により退職することになりました。短い期間ではありましたが、○○さん(上司の人や一番お世話になった方)を始め、△△部署の皆さまに本当にお世話になりました。みなさんから、たくさんのことを教わり、学んできました。大変なこともありましたが、とてもいい経験をすることができたと感じています。この会社で学んだ社会人としての経験をもとに、これからも頑張っていきたいと思います。最後になりましたが、これからも皆さまのご活躍をお祈りしています。以上で退職の挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました。」 |
【1年以上の人】
「本日はお忙しい中、このような場を設けていただき、ありがとうございます。私事ではありますが、この度、一身上の都合により退職することになりました。○○部署で勤務した×年間は、多くの方と出会い、 たくさんのことを学ばせていただきました。入社した頃は、初めての業務で分からないことが多く、 ご迷惑をおかけしてばかりで、やっていけるのかなと不安に思うこともありました。ですが、時には厳しく、時には優しくサポートをしてくださったみなさんのおかげで、今まで味わったことのない達成感を得ることができました。今後私の業務は、△△さんに引き継いでいただくことになっています。どうぞよろしくお願いいたします。本日を持ちまして、退職致しますが、どうぞ今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い致します。最後になりましたが、今後も皆さまのご活躍を心よりお祈りしています。以上で退職の挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました。」 |
【結婚・出産】
「本日はお忙しい中、このような場を設けていただき、ありがとうございます。私事となり、大変恐縮ではありますが、△月に結婚することになりましたので、本日付で退職をさせていただくこととなりました。急な退職になり、みなさんには大変なご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。一度は仕事と家庭の両立を考えたのですが、悩んだ末、どちらも中途半端にしたくないという気持ちから、家庭に専念する決意をいたしました。みなさんと一緒に働く中で、たくさんの経験をさせて頂きました。またその経験が自分の成長に繋がったのだと感じています。最後になりましたが、今後も皆さまのご活躍を楽しみにしております。また、今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い致します。本当にありがとうございました。」 |
ポイント!結婚・出産の場合は、挙式日や出産日の報告を入れてもいいでしょう。「○月○日に挙式を行う予定です」「出産予定日は○月○日です」と簡単に報告するだけで大丈夫です。 |

3.忘れてはいけない3つの作業!
ここまでは、退職の挨拶で必要なメール・スピーチについてご紹介しました。
メール・スピーチは、基本的には最終出勤日に行います。
退職日までにしなければいけないことって意外と多くて大変ですよね。
ちなみに、最終出勤日までにやっておかなければいけないことは確認できていますか?
ここまでスムーズにこられているという方も、もう一度確認し直してみてください。
最後まで責任を持って務めることが、社会人としてのマナーでもあります。
①引き継ぎのマニュアル作成
これを見れば全てわかるというレベルのものを作成できたらベストです。
最低でも退職の3日前には完成させ、
最後はマニュアルを見ながら引き継ぎの確認ができる状態に進めておきましょう。
②取引先や社内外の方に挨拶
取引先への挨拶や社内外の関係者にできるだけ対面で挨拶をしに行くことも大切です。
そのときに、後任者と一緒に行くと尚いいです。
後任者の紹介を行っておくことで、
取引先と後任者がスムーズに新たな付き合いを始めることができます。
③会社に返却するものの確認
最終出勤日に会社へ返却するものを忘れてしまうと、
退職後に会社に行かなければいけません。
二度手間になりますし、気まずいなと思われる方もいるでしょう。しっかり確認しておきましょう。
・健康保険被保険者証
・社員証、社章、IDカード(身分証)など
・通勤定期券
・制服、作業着
・名刺
・会社から貸与されている、ノートパソコン、携帯電話、業務用機器など
主にこのようなものです。
ちなみに、会社から受け取るものがあることはご存知ですか?
・雇用保険被保険者証(転職先での雇用保険手続きの際に必要です)
・源泉徴収票(担当者から退職時までの「源泉徴収票」をもらう必要があります。)
・年金手帳(会社が保管している場合と自分で保管している場合があるので確認すること)
以上のものは忘れずに受け取ってください。転職の際に必ず必要になります。
4.まとめ
退職の挨拶では決してマイナスな発言はしないように気をつけてください。
それぞれのマナーとポイントをおさえて、
最後まで良い印象を残し、円満な退職を目指してください。
またどこかで、繋がりができる人もいるかもしれません。
現在の職場の繋がり、転職される方は新しい職場での繋がり、その両方を大切にしてください。