
最近多くの企業が一次面接や二次面接に導入しているグループワーク。
ここで苦戦している人も多いのではないでしょうか?
同じ発言をしているのに、通過する人、落ちる人がいます。
面接におけるグループワークは、大量の応募者をふるいにかけ、
絞るという意味で実施されることがほとんどです。
就活を成功させるためには、まずグループワークを突破する必要があります。
ここでは、グループワークを突破する確率を上げるために、
GWの評価基準、GW対策方法を中心に解説しています。

1.グループワークの目的と評価ポイント
実際に企業が採用選考にグループワークを導入する目的と評価のポイントについて解説します。
まず、企業がグループワーク選考を行う目的は、
「大量の応募者の中から面接するに値する人のみに時間を使うため」です。
判断のポイントは、
協調して作業ができるか(コミュニケーション能力)
グループをまとめることができるか(リーダーシップ力)
です。
ここで基準値まで達していない人は、バサバサ切られます。
グループワークで評価されるのは、
この最低限の基準値をクリアした人のみです。
評価基準についてですが、
グループワークの評価基準はたった一つです。
「チームが良い結果を出すのに貢献できたかどうか」です。
この「良い結果を出すのに貢献する」ためには、
次に紹介する3つのポイントさえ押さえていれば大丈夫です。
<協調性>
自己中心的になっていないか。
周りのこともしっかり見ているか。
他の人の意見を尊重できているか。
他人の意見を簡単に否定することはやめましょう。
否定するときは代案を出すようにしましょう。
<発言力>
ただ発言するだけでは意味がありません。
話に一貫性を持たせることが大事です。
その為には、筋の通った発言をする必要があります。
発言は「PREP(プレップ)」でまとめる意識を持ちましょう。
Point(結論・伝えたいところ)
Reason(理由)
Example(具体例)
Point(だから~です)
「私は〇〇さんの意見に賛成です。
なぜかというと、△△といった根拠があるからです。
例えば□□する時にもこの考え方が効果的です。
だから私は〇〇さんの意見に賛成です。」
<積極性>
基本的なことですが、積極性が無い人は低く評価されてしまいます。
チームに貢献するという気持ちで参加しましょう。

2.グループワークで通過する人、落ちる人
同じことを言っているのに、受かる人と落ちる人がいます。
そこに疑問を持っている人もいるのではないでしょうか?
同じ発言でも、タイミングや伝え方、言い方によって
相手が受ける印象や評価は変わってきます。
同じ発言でも受かる人になるように、ポイントを押さえて解説をしていきます。
・伝え方
就活全てに言えることですが、伝え方はとても重要です。
面接というと単に「どう自分を表現するか」と考えがちですが、実は少し違います。
「相手が求めていることを想像した上で、どう自分を表現するか」
という考え方が正解です。
例えば、企業が求めている人材が「行動力の高い人物」で、
自分のアピールポイントも「行動力の高さ」だったとします。
この時、一方的に
「私は行動力が高く、今までこういった経験を積んできました。
企業が求めている人物像も行動力の高い人物なので、ぜひ採用して下さい。」
では採用されることは、まずありえません。
これではせっかく企業が求めている人物像と、自分が一致しているのにもったいないです。
なぜ企業が行動力の高い人材を求めているのか、
「自分の行動力の高さは採用された際、企業でどういったところで貢献できるのかを伝える」
必要があります。
簡単に例文を作りましたので、参考にしてみてください。
↓GWではこんな発言すること無いとは思いますがイメージを持っていただくために・・・
「私のアピールポイントは、行動力の高さだと自負しております。
地方で震災が起こったときは、いち早く現地に直行し、
現地の人たちと力を合わせて困難に立ち向かってきました。
この行動力の高さは、御社が求めている、
<バイタリティに溢れた人物>に通じるものがあるのではないかと考えております。
そして、御社が掲げている、<全国展開>にも私の行動力の高さが活かされるのではないかとも考えております。
もし御社で務めることができましたら、行動力の高さを武器に、
御社の商品のすばらしさを全国の人たちに伝えることができるように全力を尽くしたいと考えております。」
・第一印象
これも就活全てで言えることですが、
面接は、第一印象で全てが決まってしまうとも言われています。
そして一度決まってしまった第一印象は、変わらないとも言われています。
実際に第一印象が決まる時間はだいたい30秒と言われています。
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」によると、
視覚情報(顔の表情や服装、髪型、身振りなど)55%
聴覚情報(会話の速さや声のトーン)38%
言語情報(会話の内容)7%
で決まるとされており、視覚情報・聴覚情報が全体の93%を占めています。
最初の30秒でどこまで良い印象を与えることが出来るかが、ポイントです。
同じ内容で合否が分かれる理由です。
・意見を発表するタイミング
グループワークでは、発言をしなければ評価されません。
発言をしなければ、評価材料がなく、評価しようがないからです。
議論に参加し、自分の意見を発言することでアピールします。
意見を発表するときのポイントは、タイミングです。
一番やってはいけないのは、他の人が話している時にそれを遮って話し出すことです。
例えば、他の人が的外れな発言をしたとします。
一度最後まで話を聞き、その上でその人の発言に対する意見を述べましょう。
議論のスピードが速く、発言するタイミングを逃すということもよくあります。
自分が、スピードが速いなと感じたときは、
周りのメンバーも同じように感じている可能性が高いです。
そんな時は、少しペースをダウンさせるようにすると良いでしょう。
方法としては、
「今まで出てきたアイディアを、一度まとめてみませんか?」
「一度みなさんの意見を聞いてみませんか?」
など提案してみましょう。

3.グループワークの対策ポイント
グループワークの目的や評価ポイントが分かっていても、
実際にグループワークに「うまく参加する」のは難しいでしょう。
一連のグループワークの流れの中で、ポイントを教えます。
要所を抑え、その時にあった最適な行動を取ることで、
グループワークにうまく参加しましょう。
1.時間配分を決める
グループワークでは制限時間が設けられています。
制限時間内にまとめられなければ、
例え素晴らしい発表が出来ても意味がありません。
タイムキーパー役が決まっていれば、任せてもいいでしょう。
2.役割分担をする
グループ内での役割分担がうまく機能しているかどうかで結果が大きく左右されます。
一般的には、リーダー・書記・タイムキーパー・その他で分かれます。
企業が指定してくる場合もあります。
次の項目で、役割ごとのポイントについて説明するので
自分がどの役割になっても対応できるようにしておきましょう。
3.課題を具体的にする
課題によっては、人によってとらえ方が違う可能性があります。
まずは、与えられた課題に対する考え方や、イメージを共有しましょう。
4.アイディアを出し合う
グループの全員で、出来るだけ意見を出し合いましょう。
まずはたくさんのアイディアを出すことが大切です。
5.出てきたアイディアを分類し、選ぶ
アイディアを選ぶ際、多数決は絶対にNGです。
多数決は少数派の意見を押し殺してしまいがちです。
最後の手段にとっておきましょう。
アイディアを選ぶにあたって重要なポイントが「評価基準を決める」ことです。
不満が残らず全員が納得できる方法で選ぶためにも、選ぶ基準を設定しましょう。
よくあるのが「コスト」「効果」「早さ」などです。
わかりやすく納得しやすい基準が良いでしょう。
6.アイディアをより詳細にする
良い発表にするために、選んだアイディアを詳細にする必要があります。
「そのアイディアを選んだ理由」「そのことによってもたらすメリット」
などを発表します。
時間に余裕があれば、
デメリットや問題点、それへの対策まで考えられると、より完成度が高くなります。
7.発表する
どんなによいアイディアが出ても、うまく発表出来なければ意味がありません。
先ほど説明した「PREP」を意識して発表しましょう。
以上のポイントを押さえ、効率的にグループワークを進め、成功へ導きましょう。

4.役割別のポイント
グループワークは役割を分担して行います。
役割は自分たちで決めることがほとんどです。
時々、企業側が指名してくる場合もあります。
ここでは、役割別での行動や事前の準備について解説していきます。
4-1.リーダー
積極的に自分の意見を言える人が向いています。
リーダーに一番必要なことは、「周りに発言させる」ことです。
アピールしたいからといって、
自己中心的にならないように気を付けましょう。
4-2.タイムキーパー
グループワークのまとめ役です。
主な役割は、議論が計画的に進んでいるか、管理します。
時間がおしているようであれば、
みんなの意見をまとめ、次の工程に進めます。
議論がそれないように、周りをよく見ておく必要があります。
4-3.書記
「消極的で人前で自分の意見をズバズバ言うのは苦手・・・」
という人は、書記がおススメです。
書記という役割は、唯一メモを取りながら議論に参加することが出来ます。
・よく周りを見る
・要所で確認の意味も込めて、発言者に質問する
を意識するようにしましょう。
書記という役割柄、メモを取ることに必死になってしまい、
議論に参加できないということがあります。
発言できないことに対する焦りは禁物です。
発言者に対して、頷いたり相槌をうつこともアピールになります。
話を振られたときに、的外れな意見を言わぬよう
しっかりと周りの話を聞いておきましょう。
4-4.その他
上記の役割につかなかった場合も、悲観することはありません。
すべての役のサポート役であるという意識で取り組みましょう。
役割がない分、積極的に意見を出していくことができます
結果、面接官の印象に残りやすく採用にグンと近づきます。

5.モンスター就活生に遭遇してしまったら
グループワークで注意しなければいけないのが、モンスター就活生です。
モンスター就活生とは、
主にグループワークを邪魔しようとしてくる人です。
または、意図的ではないものの自己主張が強く、
協調性がないなどで結果的に、グループワークを掻き乱す人のことです。
非常に厄介です。
遭遇するかしないか、こればかりは運任せになります。
厄介なのが、全く無視することもできないということです。
グループワークは、「集団の中の個人」が評価の対象です。
モンスターを疎外して議論を進めていくのは、得策ではないでしょう。
程よく意見を聞きながら、
決して相手のペースにはまってしまわないように、
主導権を握りつつ進めていきましょう。

6.今日からできるグループワーク対策
なんといっても練習が大切です。
本番で力が十分に発揮できるように準備しましょう。
1.仲間を集める
グループワークの練習は一人ではできません。
人数は4~8人程です。
真剣に取り組んでくれる人を選びましょう。
2.テーマを決める
テーマはなんでもいいです。
よく使われるのが
「NASAゲーム」
「脱出ゲーム」
「仕事疑似体験ゲーム」
などです。
3.時間を決める
特に制限はありませんが、本番では30分程が多いです。
実際に役割を決めて練習しましょう。
先述したように、役割は企業が指定してくる場合もあります。
どの役割が回ってきても対処できるように準備しておきましょう。
更に練習を効率的にするために、
・スマホなどで撮影する
・反省会をする
スマホなどで撮影することによって、
後で見直しやすく、自分を客観的に見ることができます。
その結果、課題が見えてくるでしょう。
反省会も大事です。
練習する上で一番重要なことは、振り返ることです。
練習するだけでは上達しません。
一通りの流れをして、その後フィードバックを行いましょう。
お互いに良かったところ、改善すべきところ
チーム全体で見たときに上手く機能していたかどうか
言い合いましょう。
繰り返し練習あるのみです。
7.まとめ
グループワークの一番の評価ポイントは、
「いかにチームに貢献できたか」です。
ここが通常の個人面接との大きな違いであり、
企業が採用選考にグループワークを実施する理由です。
どれほど個人の能力やスキルが高くても、
それを十分に発揮できなければ意味がありません。
自分の力を本番で発揮するためには、
練習あるのみです。
どれだけ理屈が頭ではわかっていても
実行できなければ意味がないのです。
会社とは大きな一つのチームとして動いており、
利益を最大化させるために、
自分はなにができるのかを積極的に考え行動できる人材を多くの企業が求めています。
その点において、グループワークは画期的な採用選考の一つだと言い切れるでしょう。
今後、採用選考にグループワークを取り入れる企業は増えていくでしょう。