
30代という年齢になり、転職を考え始めている人は多いのではないでしょうか。
「会社の先行きが不安」、「新しいことにチャレンジしたい」など理由は様々でしょう。
転職したいけど、、年齢が、、と悩みを抱えている方もいらっしゃるはずです。
確かに、30代での転職は20代での転職と比べ、狭き門になります。
専門的な知識やスキルがあれば別ですが、基本的に年齢を重ねるごとに企業の募集は減ってきます。
しかし、だからと言って不可能ではありません。30代の方でも転職は十分可能です。
転職を成功させるためのポイントを抑えてさえいれば大丈夫です。
ここでは採用されるための転職活動について、解説していきます。
1.30代での転職について
冒頭でもお伝えしたように30代で転職を考え始める方は大勢いらっしゃいます。
まずは、どういった理由でみなさんが転職を考えたのかについて見ていきます。
転職サイトDODAが取っていたアンケートを載せておきます。
参考元URL:https://doda.jp/guide/reason/2018/004.html
順位 | 転職理由 | 割合 |
1位 | ほかにやりたい仕事がある | 13.7% |
2位 | 会社の将来性が不安 | 13.5% |
3位 | 給与に不満がある | 11.3% |
4位 | 残業が多い/休日が少ない | 7.1% |
5位 | 専門知識・技術力を習得したい | 5.4% |
6位 | U・Iターンしたい | 4.1% |
7位 | 幅広い経験・知識を積みたい | 4.0% |
8位 | 会社の評価方法に不満がある | 3.7% |
9位 | 業界の先行きが不安 | 3.3% |
10位 | 市場価値を上げたい | 3.3% |
あなたも上記の転職理由のどれかに当てはまるのではないでしょうか。
上記の転職理由に当てはまり、転職したいと考えていてもなかなか行動に移せないという方も大勢いるはずです。
家庭のことやご自身の年齢など、思いとどまってしまう理由は様々でしょう。
その、思いとどまる理由の中で一番は年齢的なものではないでしょうか。
確かに30代での転職は「簡単にできるものではない」かもしれません。
どうしても年齢は大きな障壁となってしまいます。年齢が高くなるにつれ、求人数は少なくなってしまいます。
また、年齢が高いことによりそれ相応の経験やスキルを求められてしまいます。20代などの若手とは違い、即戦力であることをかなり求められてしまうでしょう。
前職の経験を活かし、同業種へ転職する場合や専門的なスキルを活かせる場合は別ですが全く経験のない異業種への転職は簡単にはいきません。
しかし、以前に比べ転職のチャンスはかなり広がりつつあります。
その理由を次の項目でご説明していきます。
1-1 30代の転職チャンスが広がってきている
「30代の転職チャンスが広がってきている」ということについてデータを基に証明していきます。
大手転職サイトDODAが実施した調査を基に解説していきます。
出典元URL:https://doda.jp/guide/age/2019first/

上記のグラフを見ていただければ、転職成功者の平均年齢は2016年以降一旦降下仕掛けましたが、2018年以降は再び増加傾向にあることが分かります。
一昔前であれば、転職するには35歳までが限界と言われていました。
時代の流れとともに状況が大きく変わっていき、今では「決してそんなことはない」というのが分かっていただけるのではないでしょうか。
過去のリーマンショックに起因する求人需要の低下も改善されており、
今後ますます求人ニーズは高まっていくことが予想されます。
それに伴って30代以上の転職成功者の割合は確実に増えていくでしょう。
このことから、年齢だけを理由として転職を踏みとどめてしまっている方は「もったいない」と言えるかもしれません。
<ちなみに・・・>
転職後の年収について少しお話しておきます。
Tech総研が2012年1月〜2013年3月に26〜39歳にアンケートをとったところ、
転職後に年収が増えた人は51%、変わらなかった人は16%、減った人は33%という結果がでました。
2010年に行われた同様のアンケートでは、転職後に年収が増えた人が75%という結果がでている。
それに比べると今回のアンケートにおける年収の低下は、やや多いと言えるだろう。
転職後に年収が増えている人がいる一方、減っている人が三人に一人はいるということだ。
これは近年、給料以上にやりがいを求めて転職をしている人が増加しているということも関係していますが、慎重に転職活動を行う方が良いでしょう。

2.転職活動を成功させるポイント
<ポイント1>
転職活動での成功とは、希望企業に採用されることです。
まずはじめにすることは、転職してからのヴィジョンを明確にすることです。
なぜ転職するのか、給料面や仕事へのやりがいなど、人それぞれあると思います。
その転職を考えたきっかけが払拭されなければ、転職をする意味がないでしょう。
転職後に自分はどうなっていきたいのかを明確にさせることで、それに向かって自分はなにをするべきなのか、どう動くべきかを考えることができ、実行に移すことができます。
<ポイント2>
自分の強みやアピールできる部分を考えましょう。
冷静に自己分析を行い、他人と比べ優れている部分や自慢できる業績などを把握しておきましょう。
強みを把握するのはそれほど難しいことではありません。
・今までどんな仕事をしてきたか
・仕事ではどんな成果を上げてきたのか
・結果を出すために工夫したことはどんなことか
・経験によって得られたことはどんなことか
・仕事でうれしかった体験は何なのか
・夢中になって取り組んだ仕事はどんな仕事か
・仕事を行う上で役立っている長所はなにか
・仕事上のポリシーや大切にしているポイントは?
・周りから仕事面でどういう評価をされているか
・今までで大変だった仕事はどんな仕事か
・持っている資格はどんなものがあるか
・資格は業務にどう直結してきたか
などの内容をメモに書きだしていくだけでOKです。
書きだす際のポイントとしては、どんな経験を積んできたのか、
これまでの経歴を一つひとつ細かく確認していくことです。
仕事を通じてどのように成長し、会社に対してどんな貢献ができたかを整理していきましょう。
把握した強みを基に転職先を探し、応募書類を作成し、そして面接で披露する。
全てに通じる内容です。時間がかかったとしても必ずやりきってください。
<ポイント3>
30歳以上の求人募集が増える職種や業種を狙うのが効果的です。
en転職が行った「ミドル人材(35歳以上)の求人動向」についてのアンケートによると以下の通りになっています。
上位5つを抜粋しています。
参考元URL :https://mid-tenshoku.com/enquete_consultant/report_72/
<35歳以上のミドル人材を対象とした求人募集が増えると見込まれる「職種」>
順位 | 職種 | 割合 |
1位 | 営業系 | 48% |
2位 | 経営企画・事業企画系 | 45% |
3位 | 技術系(IT・Web・通信系) | 39% |
4位 | 経理・財務・会計系 | 34% |
5位 | 技術系(機械・メカトロ・自動車) | 30% |
<35歳以上のミドル人材を対象とした求人募集が増えると見込まれる「業種」>
順位 | 業種 | 割合 |
1位 | IT・インターネット | 49% |
2位 | 建設・不動産 | 43% |
3位 | 流通・小売・サービス | 42% |
4位 | メーカー | 40% |
5位 | コンサルティング | 21% |
管理職として求人を出している企業や、メーカーなどでは営業の募集が多くなっています。
特にメーカーの営業は他の業種に比べると未経験での採用に積極的です。
営業経験者の方はメーカーが特に狙い目かもしれません。

3転職のメリットとデメリット
転職のメリット・デメリットについては把握しておいた方がいいでしょう。
全ての方に当てはまる内容ではないかもしれませんが、
一般的に言われている転職によって生じるメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
<転職のメリット>
・待遇面の向上が見込める
現在の職場の待遇に不満を持っているなら、転職することによって解消される可能性が大いにあります。
給与に不満を感じているなら、高給の仕事を探せば良いですし、労働時間に不満を感じているなら、残業や休日出勤のない仕事を探せば良いでしょう。
・新しい経験が積める
自分の可能性を求めて転職するなら、今までとは違った新しい経験を積めることは大きなメリットでしょう。
現在の職場より自分の能力を活かせる職場や、これからやりたい事が実現できる職場に転職する事が出来れば、今後の人生に大きな意味を持つ転職になるでしょう。
・仕事にやりがいを感じ、やる気が出る
何年も同じ業務をこなし、マンネリに感じている人には、新しい職場で心機一転仕事をすることで、やりがいを感じることができるでしょう。
ただなんとなく仕事をするのではなあく、やりがいを感じて仕事をすることで、プライベートも充実するというデータがあります。
<転職のデメリット>
・退職金、企業年金が不利になる
一般的に、退職金や企業年金は、勤続年数が多いほど有利になる仕組みとなっています。
一度転職をしてしまうと、勤続年数がリセットされてしまい、退職金が不利になる可能性があります。
勤続年数 | 退職金(万円) |
大卒〜 | 2,026 |
30歳〜 | 1,869 |
35歳〜 | 1,286 |
40歳〜 | 968 |
「就労条件総合調査」より
・社会的信用が低下する
転職後に住宅や車のローンなどを組もうとした時に、審査に通りにくくなる可能性があります。
ローン審査では勤続年数が重要な要素となっており、一般的には勤続年数が3年以上ないと審査が厳しくなります。
・給与、役職が下がる可能性

転職後に給料や役職が下がったという人は、決して少なくはありません。
Tech総研の調査によると、転職後に給料が増えたという人は25%で、減ったという人は58%もいます。
今の会社を辞めたいという気持ちばかりが先走り、年収を気にしていなかったり、妥協してしまっていたり、給料よりやりがいを選んだ人など、理由は様々ですが、現実として半数以上の人が結果として給料が下がっているという現実を理解しておきましょう。
4.「転職エージェント」で転職成功率を上げる
ここでは、転職成功率を上げる方法として、転職エージェントを利用する方法をご紹介していきます。
転職エージェントは無料で利用できるため個人的にはかなりオススメです。
転職エージェントとは、簡単に言うとプロの転職アドバイザーの手助けを得て転職活動を行うことです。
転職の成功確率を上げるという意味では、1人でやるよりもプロの手を借りて行う方がいいでしょう。
これだけ聞くと「転職エージェントを利用しない手はない!」となりがちですが、当然デメリットもあります。
詳しい転職エージェントのメリットとデメリットを次の項目でご説明していきます。
4-1転職エージェントを利用するメリット・デメリット
<転職エージェントを利用するメリット>
・非公開求人に応募できる
一般的な求人媒体やハローワークなどに掲載される公開求人だけでなく
転職エージェントは少数の人を採用したい場合などに使われる非公開求人を所有しています。
この非公開求人があなたの希望している職種とマッチする可能性があります。
単純に求人数が多いということは転職エージェントを利用する一つの大きなメリットと言えるでしょう。
・企業とのスケジュールを調整してくれる
企業と直接やり取りするのって結構しんどいと思います。
転職活動は仕事をしながら行うケースが多いでしょう。そのため、
応募先企業との調整が結構面倒なポイントです。そんなときにスケジュール調整を担当がやってくれるのでとても助かります。
リスケしないといけない場合などもその旨と担当に伝えるだけでOKですので比較的気軽に調整が行えます。
・担当者が適格なアドバイスをしてくれる
転職エージェントを利用する大きなメリットと言えます。
転職活動は割と孤独です。すぐに転職先が決まるケースは稀で途中、心が折れそうになることもあると思います。
そんな転職活動中に悩みを相談できたり、プロの話を聞けたりするのは非常に助かると思います。
実際に転職することが可能なのか、
あなたの経験やスキルからどういう業界や職種を狙っていけばいいのかなど的確なアドバイスをしてくれます。
面接の対策や転職のノウハウについて熟知しているため転職を成功させる確率を大幅に上げることが可能になります。
以上がメリットになります。転職活動の際に大きな壁となる職務経歴書の書き方についてもあなたの経験を基に丁寧に指導してくれます。
求人を1件、1件探す手間を省くことができるのも大きな魅力かと思います。
次は反対にデメリットについてみていきます。
<転職エージェントを利用するデメリット>
・選択肢を狭くされることがある
転職エージェントはあなたが採用されることで企業からお金をもらいます。
どう頑張っても受からない企業は選択肢から外されてしまいがちです。
あなたの経験やスキルを基に合格できそうな企業ばかり紹介される可能性があります。
ちなみに転職エージェントを利用するからといって、現状よりも大きく年収アップができるという訳ではないのです。
あなたの学歴、職歴、スキルを基準に転職先を紹介してくれるのが転職エージェントだと認識してください。
・転職エージェント側の都合
エージェント側は少しでもあなたの年収をあげようとします。
なぜかと言うとあなたの年収の約30%がその転職エージェントの会社に売上として入るからです。
「双方にとってメリットがあるじゃないか!」と感じますが、
例えば、年収は今とあまり変わらないがあなたの性格に合う企業
年収が高くなるが、あなたの性格に合わない企業
の2社から内定があった場合、担当者はほぼ間違いなく後者を勧めてきます。
担当者にもノルマがあるからです。
・企業側の都合
転職エージェントを介して応募してきた人と、
通常の窓口から応募してきた人のどちらかを採用するとなった場合にあなたが企業の担当者ならどうしますか?
おそらく、通常の窓口から応募してきた人を採用するのではないでしょうか。
理由は簡単で転職エージェントからの応募者を採用する場合は採用コストが発生するからです。
以上が転職エージェントを利用するデメリットです。
メリットとデメリットをお伝えさせていただきましたが、個人的には一度転職エージェントを利用するのをオススメします。
転職成功率を上げるという意味だけでなく、
一度プロの個人的には成功率を上げるという意味では転職エージェントを利用する方がいいかと思います。
特に非公開求人に応募できるという点が魅力です。
次ではおすすめの転職エージェントをご紹介していきたいと思います。
4-2おすすめの転職エージェント
転職エージェントにはそれぞれ特徴があります。
それぞれの特徴を踏まえておすすめの転職エージェントをいくつかピックアップしますので、
転職エージェントの利用を検討している方は参考にしてみてください。
<DODA>
DODAは他社に比べて非公開求人が非常に多いのが特徴です。
希少求人もありますので、選択肢を広げたいと思っている方にはオススメです。
また、仕事スタイルを診断してくれますので、
自分を客観的に知ることができ、転職活動をスムーズに進めることができるというメリットがあります。
職務経歴書などの書類作成サポート、面接の対応方法などについての担当者の対応が誠実で好印象という評判が多いです。
転職に関する様々な情報を載せてくれています。これが結構勉強になります。手厚いサポートを受けたい方はDODAを選ぶのがオススメです。
<リクルートエージェント>
業界最大手です。公開・非公開求人問わず求人数は圧倒的にナンバーワンです。
中小から大手、業種を問わず幅広く対応しています。
それに伴い当然転職成功数の実績は非常に高いです。
転職に関するノウハウを多く持っていると言えるでしょう。
そのため、担当者のスキルの高さは他の転職エージェントに比べて高いです。
どこの転職エージェントにするか迷った場合はリクルートエージェントを選ばれるのがいいかもしれません。
<マイナビエージェント>
求人数については他に比べると少し少ないです。
しかし、出版、広告、営業系には強いという特徴があります。
担当は距離が近く親身になって相談に乗ってくれるという評判が多いです。
そのため、希望している職種が出版、広告、営業系のどれかに決まっている場合はマイナビエージェントを利用するのがいいでしょう。
以上がおすすめの転職エージェントになります。
それぞれの特徴を参考に自分にはどの転職エージェントが合うのか考えてみてください。
5.まとめ
転職後に求めていることはなんですか?
給料や待遇面の向上、仕事へのやりがいなど人それぞれあると思います。
転職によるメリット・デメリットを踏まえた上で転職活動を行いましょう。
ここではデメリットについても詳しく記載しましたが、最終的にはあなたのやる気や前向きな気持ちが大切です。
絶対に転職を成功させるという強い気持ちを持ち、最後まで諦めることなく採用を勝ち取ってください。